米IDCが現地時間2016年1月28日に公表したスマートフォン市場に関する調査によると、2015年第4四半期(10~12月)の世界出荷台数(速報値)は3億9950万台となり、前年同期から5.7%増加した。また2015年の年間出荷台数は前年比10.1%増の14億3290万台となり、これまでの記録を更新した。

 2015年第4四半期の出荷台数をメーカー別に見ると、韓国Samsung Electronicsが8560万台で首位を維持した。これに米Appleが7480万台で次ぎ、そのあと、中国Huawei Technologies(華為技術)の3240万台、中国Lenovo Group(聯想集団)の2020万台、中国Xiaomi(小米科技)の1820万台と続いた。

 また、年間出荷台数の順位も第4四半期のそれと同じで、Samsungが3億2480万台、Appleが2億3150万台、Huaweiが1億660万台、Lenovoが7400万台、Xiaomiが7080万台だった。

 このうちSamsungの年間出荷台数の前年比伸び率は2.1%にとどまった。同社を取り巻く市場環境には、高価格帯端末の分野ではAppleが、低・中価格帯端末の分野ではXiaomi、Huawei、ZTE(中興通訊)などの中国メーカーがおり、Samsungは激しい競争に直面しているという。

 Appleは第4四半期出荷台数の前年同期比伸び率がわずか0.4%にとどまったものの、年間出荷台数は前年比20.2%増となり、市場全体の伸びを上回った。Apple Payや3D Touchといった機能、新たな本体カラー(ローズゴールド)、処理性能の向上といった要素が奏功し、Android端末からの買い替えを促したという。

 Huaweiの第4四半期出荷台数は1年前から37.0%増加、年間出荷台数は同44.3%増加した。IDCによるとHuaweiは上位5社の中で最も急成長したメーカー。その年間出荷台数は初めて1億台を突破した。スマートフォン市場の歴史で年間出荷台数が1億台を超えたのは、これまでNokia、Samsung、Appleの3社だけだった。また同社製端末は、ほぼ半分が中国以外の市場に出荷されており、Huaweiは世界展開に成功している数少ない中国メーカーだという。

 4位のLenovoの年間出荷台数は前年から24.5%増加した。ただし買収した米Motorola Mobilityの1年前の出荷台数実績を含めると、同21.1%減となる。一方、5位のXiaomiの年間出荷台数は同22.8%増加。Xiaomiの伸び率もAppleやHuawei同様、市場全体の伸びを上回り、6位の韓国LG Electronicsとの差を広げた。

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