国内IT市場の企業規模別支出額予測(出典:IDC Japan)
国内IT市場の企業規模別支出額予測(出典:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2015年1月29日、国内の産業分野別、企業規模別のIT支出に関する調査結果を発表した。それによると、2014年の大企業(従業員1000人以上)におけるIT支出額は、前年比0.9%増の6兆8749億円と予測。大企業では、輸出産業が円安の恩恵を受けて業績好調が続き、システム刷新や新規案件がある一方、2013年にPCの更新を終えた企業も多くあることから、全体的にIT投資は微増にとどまるという。また、SMB(中堅中小企業/999人以下)のIT支出額は、同1.3%増の3兆7155億円と予測()。同社では、SMBではPCの更新需要が2014年も継続し、凍結していたシステム刷新や新規案件に本格的に着手する企業も出てくると分析している。

 同社は、2014年の国内IT市場について、大型システム案件も見られ多くの産業でIT支出が伸びるが、個人消費を含めた全体では小幅の成長となると指摘。詳細な企業規模別のIT支出額については、小規模企業(1〜99人)が同1.0%増の1兆1081億円、中小企業(100〜499人)が同1.2%増の1兆6238億円、中堅企業(500〜999人)が同1.8%増の9836億円と予測した。

 同社は国内IT市場の質的な構造変化についても指摘。2013〜2018年にかけて、第3のプラットフォーム市場が年平均4.4%の成長率を維持するのに対し、第2のプラットフォーム市場はマイナス2.9%と大幅な縮小傾向にあると分析。第3のプラットフォーム市場の年平均成長率は、国内IT市場の0.8%、国内ICT市場のマイナス0.4%を大きく上回るという。同社は、第3のプラットフォームへの戦略的投資について、産業分野別よりも企業規模別の違いが鮮明になりつつあると指摘している。

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