図●会社における資料やコンテンツの保管方法についての回答
図●会社における資料やコンテンツの保管方法についての回答
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 シンクタンクのMM総研は2016年1月28日、従業員100人以上の企業における情報資産管理(デジタルアセットマネジメント:DAM)に関する調査結果を発表した()。ここでいうDAMとは、書類のほか、写真、画像、動画、音声、音楽など、デジタルコンテンツの管理を行う概念のことを指す。

 調査結果によると、会社での資料やコンテンツの保管方法を聞いたところ、「電子データをファイルサーバに入れて、限られた人員しか見られないように管理している」という回答が最も多く60.2%、「誰でも見られるファイルサーバに入れて管理している」が32.8%、「主に紙の資料として保管している」が31.1%となった。

 資料やコンテンツの管理方法の課題や不安について聞くと、「特に課題や不安を感じない」が60.4%と最も多かった。その一方で、「情報漏えい、情報の不正な閲覧の危険性がある(もしくは、既に漏えいしてしまっている)」との回答が32.6%に達した。

 「保管場所について、作成した本人など限られた人しか知らないため、情報が探せない、もしくは探すのに時間がかかる」が30.2%、「どのような情報が存在しているか、限られた人しか知らず、効果的に利用されていない」が28.4%だった。MM総研はこれらの回答企業は、セキュリティ面だけでなく、業務効率についても課題や不安があると分析する。

 文書管理ツールやDAMシステムの導入率についても調査。「導入している」が17.5%、「導入していないが、15年度中の導入予定である」が10.7%で、合計しても28.2%と3割以下となった。

 また、「導入していないが、16年度以降の導入にむけ検討している」が19.7%、「導入しておらず、16年度以降の導入予定もない」が27.1%、「分からない」が24.9%で、導入が未定の企業が71.8%を占めた。MM総研は、情報漏えいの危険性や業務情報が有効に探せないなどの業務非効率化を感じつつも、導入が先延ばしになっていると分析している。

 文書管理ツールを導入している企業に対して、どのような資料、コンテンツが管理されているか聞いたところ、「従業員の個人情報に関する情報」が57.4%、「他社や顧客と交わした契約書」が50.4%だった。

 さらに導入企業に、導入のメリットを聞いたところ、「情報の漏えいや不正な閲覧を防止できる」が79.1%、「情報の紛失や変化を防止できる」が65.9%、「社内での情報共有が円滑にできる」が60.5%、「情報を探すことに時間を取られずに済む」が49.6%だった。MM総研は、現在はセキュリティ面の強化での導入意向が強いと分析している。

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