シンクタンクの富士キメラ総研は2016年1月22日、ビッグデータ/IoTソリューション市場に関する調査結果を発表した。それによると、2019年度の市場規模は2014年度比約3倍の6400億円に達し、そのうちIoT市場が同10.3倍の3700億円に拡大すると予測した。

 同社では、IoT市場の急拡大の背景に、センサーの低価格化や高性能化、MEMS化などによって、これまで収集できなかったデータを低コストで効率的に収集することが可能となったことがあるとしている。それにともない、モノだけでなく人のセンシングをともなうソリューションへのニーズが高まっているという。

 同社は、ビッグデータ/IoTソリューション市場の動向について、無線通信の高速化や低価格化、センシングデータをリアルタイムで処理する技術の向上、データを活用する機械学習技術の普及、IaaS/PaaSなどITプラットフォームの誕生などにより、市場が急速に拡大していると分析。市場拡大を牽引しているのは、システムインテグレーションに対するニーズの増大と指摘した。

 具体的には、収集したデータの分析範囲の拡大や分析レベルの高度化にともなうシステム構築へのニーズ、ERPなどの基幹系システムとの連携を実現するためのシステム化といったのニーズが増大しているという。同社は、2019年度にはシステムインテグレーションが2300億円にまで拡大すると予測している。

 一方、同社は、ビッグデータ/IoTソリューションを構築する基盤として、IaaS/PaaSやIoTプラットフォームの活用が本格化するとした。クラウドプラットフォームが2019年度には2014年度比9.9倍の750億円にまで拡大すると予測。そのうち、IaaS/PaaSが同12.0倍の540億円、IoTプラットフォームが同11.3倍の170億円に達するという。その理由として、多大な初期投資を必要とせずに構築が可能であり、導入したものの成果が得られなかった場合などでも利用を停止すれば損失を最小限に抑えられるといったことがあると指摘している。