図●国内ストレージソフトウェア市場 売上実績および予測:2014年~2019年
図●国内ストレージソフトウェア市場 売上実績および予測:2014年~2019年
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社のIDC Japanは2016年1月21日、国内のストレージソフトウェア市場に関する調査結果を発表した。それによると、2015年上半期(1月~6月)の市場規模は前年比5.0%増の427億3200万円と堅調推移。通期では867億6000万円にまで達するという。同社では、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR)を4.2%と分析。2019年には1019億6800万円にまで拡大すると予測した()。

 同社は、ストレージソフトウェアの需要を押し上げている要因は二つあると指摘。第一は、ITインフラの運用効率化/自動化への要求が高まっていること。第二はソーシャル、モバイル、IoTなどの活用に取り組むユーザーが増加し、データ量が飛躍的に増えていることがあるという。データ保護や可用性対策への支出も堅調で、大企業を中心に災害対策の強化が進んでいることも背景にあると分析している。

 ただし、堅調な需要とは裏腹に、同社はストレージソフトウェアの供給サイド、特にストレージシステムのベンダーから提供されているストレージソフトウェアの動向には不確定要素があると指摘。ベンダーがより高度な機能をソフトウェアとして提供し続けることが確実である一方、ベンダーがストレージビジネス全体の競争力強化を考慮した場合、ストレージソフトウェアのスイート化や標準搭載が増える可能性があるという。その場合には、ストレージソフトウェアとしての売上は下がると分析。機能進化や高度な機能の普及と、市場の売上規模の拡大は必ずしも同調したペースとはならないという。

 同社は、デジタルトランスフォーメーションに成功し、競争力を増す企業が増えていく中で、多くの国内ユーザーはデータ活用の促進を図ると指摘。これまでとはスケールの異なる大容量データを扱う企業も増え、ストレージインフラはソフトウェアを高度に利用した洗練された仕組みへと改革され、製品の選択は多様化すると分析している。

IDCの発表資料へ