2014年度から19年度にかけての、国内IoT市場規模の推移予測
2014年度から19年度にかけての、国内IoT市場規模の推移予測
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 シンクタンクのMM総研は2016年1月20日、国内のIoT市場に関する調査結果を発表した。それによると2014年度の市場規模は1733億円で、15年度には前年比69.1%増の2930億円にまで急増すると予測した。IoT市場はその後も急拡大を続け、2014年度から19年度にかけての年間平均成長率を32.8%と分析。19年度には7159億円に達すると予測した。

 同社は、19年度のIoT市場を分野別に分析。それによると、「アプリケーション開発・運用」が28%と最も多く、次いで「IoTプラットフォーム/システム構築・運用」が24%、「ネットワーク/コネクティビティ」が19%、「センサー/デバイス」が17%となった。企業向けのIoT市場では、「アプリケーション開発・運用」と「IoTプラットフォーム/システム構築・運用」を合わせると市場の5割以上を占めるようになるという。

 また、昨年11月時点でどのような業種でIoTが導入されているか、についても調査。それによると、調査対象企業の中でIoTを導入している企業は469社で、全体の10.9%だった。製造業が33.0%と最多で、次いで「サービス業」が13.4%、「情報通信業」が12.2%だった。

 製造業が最も多い理由として、同社は生産効率の向上や製品の品質向上など、製造現場で取り組んできた改善活動がIoTを受け入れる下地になっていると指摘している。

 一方、IoTを導入している、または導入を検討している企業の課題についても調査。それによると「情報漏洩やサイバー攻撃の不安」がトップで33.1%を占めた。次いで「システム構築・運用コストの削減」が2位で26.6%、「システム構築・運用業務の効率化」が3位で25.4%だった。

 MM総研は、IoTを導入する企業は自社の生産設備や機械、施設、製品をネットワークに接続することで重要なデータの流出や外部からのサイバー攻撃の可能性を懸念している、と分析。今後の課題解決の取り組みとして、ネットワークセキュリティの強化やシステム全体のセキュリティ対策を検討している企業が多いという。IoTソリューション事業者には、セキュアなネットワークやセキュリティソリューションの提供が求められていると指摘している。

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