要求仕様に合致しなかった項目: 一般企業(情報サービス以外)
要求仕様に合致しなかった項目: 一般企業(情報サービス以外)
(出所:IDC Japan)
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 調査会社のIDC Japanは2016年1月19日、個別設計サーバーに関する調査結果を発表した。個別設計サーバーとはODMダイレクトのように、マザーボードや筐体を特定の顧客や用途向けに設計したサーバーや、オープンソースの設計に準拠したサーバーのこと。同社では、2019年には国内x86サーバー市場における個別設計サーバーの出荷台数が10万8000台(構成比21.9%)、出荷額が363億4000万円(同12.6%)に達すると予測している。

 同社は多くの企業がサーバーを調達する際に、要求仕様に合致する機種が見つからないケースの有無について聞き取り調査を実施した。「要求仕様に合致する機種が見つからず、スペックダウンして調達した、もしくは調達を中止したことがある」とする回答が、全259社の41.3%に当たる107社に上った。さらにこれら107社の88.8%に当たる95社が「要求仕様に合致する個別設計のサーバーを供給できるベンダーがあれば採用したい」と回答した。

 要求仕様に合致しなかった項目についても調べた。20%以上の回答があった項目は「CPUの単体性能」、「メモリー容量」、「CPUの搭載数」、「採用メモリーの種類」の四つ。個別設計サーバーによって差異化できる「消費電力(省電力性)」、「電源仕様」、「内蔵ストレージの容量やスロット数」、「搭載可能な内蔵ストレージ(HDD、SSDなど)の種類」、「動作条件(温度/湿度など)」、「障害検知機能」といった項目が、要求仕様に合致しなかったとする回答はすべて15%以下だったという。

 同社は、ODMがODMダイレクトなどの個別設計サーバーを一般企業に対して拡販しても、その費用対効果は低い可能性が高いと指摘する。理由として、国内企業がベンダー選定において最重要評価項目として回答した項目で突出して多かったのが「ベンダーの信用力(業界実績/財務体質/継続性など)」だったことを挙げる。同社では、国内市場においてはODMよりもサーバーベンダーのほうが一般企業における実績が多く長期にわたり事業展開しており、さらに財務状況を日本語で開示してきたことから、より信用力が高いと一般企業が認識していると分析している。

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