図●国内IT市場 地域別前年比成長率予測: 2014年~2019年
図●国内IT市場 地域別前年比成長率予測: 2014年~2019年
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社のIDC Japanは2016年1月13日、国内IT市場の地域別動向に関する調査結果を発表した。それによると、2015年の地域別のIT市場の成長率は、東京都がが前年比約1.5%のプラスとなったほか、関東地方と近畿地方が同0.5%程度、東海地方が同0.3%程度のプラス成長。一方で北陸甲信越地方が同約2.5%のマイナスとなった。同社は、大都市圏とそれ以外の地域での円安による格差が量的、質的両面において拡大したと分析した()。

 同社は、各地域別の詳細な動向も発表。それによると、東京を中心とした首都圏、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏に多く立地する輸出比率の高い大企業の業績がプラスとなりIT投資が増えたという。その一方で、それ以外の地域では、原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多いと指摘。IT支出をほぼ止めてしまっている中小企業も出てきたという。

 同社では、2016年以降の動向も予測。それによると、2016年は東京都、東海地方、近畿地方が軒並み同3.0~4.0%の高い成長率となるほか、関東地方が同約2.5%、九州・沖縄地方が同約1.0%のプラス成長となると予測。その他の地域も含めて全国的にプラス成長が見込まれるという。

 ただし、同社では成長率gは2019年にかけて鈍化していくと指摘。2019年には東京都が同約2.5%、関東地方が同約0.5%、東海地方が同約0.3%、近畿地方が同約1.0%のプラス成長となるものの、その他の地域は約1.0%程度のマイナス成長となるという。

 同社では、ITベンダーは、大都市圏においては第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を積極的に提案していくことが重要であると分析。一方で、それ以外の地方では、政府の補助金をうまく活用して、業績が伸び悩んでいる企業の成長を支援する地方創生ビジョンを描くといった施策が有効であると指摘している。

IDCの発表資料へ