図●IT投資額を減らす理由(卸売業/小売業/サービス業)(複数回答可)
図●IT投資額を減らす理由(卸売業/小売業/サービス業)(複数回答可)
(出所:ノークリサーチ)
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 調査会社のノークリサーチは2016年1月12日、国内の中堅・中小企業の業務システムにおける、ITの活用動向に関する調査結果を発表した。卸売/小売/サービス業で年商500億円未満の中堅・中小企業では「2015年10月以降のIT投資額が前四半期と比べて減少する」と回答した企業が多く、その理由は「売上が低迷し、IT投資費用を捻出できない」が41.9%、「景気が本当に回復するかをもう少し見極めたい」が18.6%に達した()。一方で「製造設備や店舗などIT以外の投資を優先したい」の回答割合は7.0%と低く、同社では売上や景気への懸念からITを含む投資全般に慎重になっている状況がうかがえると分析している。

 中堅・中小企業に対し、生産管理システムが持つべき機能や特徴、今後のニーズについても調べた。「予測やシミュレーションを用いた原価管理が行える」が16.8%、「生産計画の策定から管理までを一貫して行える」が16.4%と原価管理に関連する項目が多く挙げられた。同社では、収益性の改善が重視されていると分析している。

 一方、「ワークスタイル変革」というキーワードが注目される中、同社はワークフローを導入済みの中堅・中小企業を対象に、ワークフロー製品/サービスが持つべき機能や特徴についても調査。「複雑な申請/承認の経路にも対応することができる」が17.3%、「PCの操作状況から全体の業務フローを把握できる」が14.7%、「ヒトが行う作業も含めた全体の効率化を実現できる」が12.7%。同社では、「ヒトが担っている作業の自動化」の必要性を中堅・中小のユーザー企業も気づき始めていることを示していると指摘している。

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