図●スマートフォンの導入利用状況とニーズ
図●スマートフォンの導入利用状況とニーズ
(出所:MM総研提供)
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 シンクタンクのMM総研は2016年1月12日、大手・中堅企業や学校、医療機関など法人ユーザーでの携帯電話/スマートデバイスの導入状況に関する調査結果を発表した。スマートフォンについては本格導入している企業が前回の22.4%から27.6%へと拡大し、テスト・部分導入を含めた導入企業比率が35.6%と4.2ポイント増加した()。同社では、前回はわずか1.3ポイント増にとどまっていたが、再び高い増加ペースを取り戻していると分析。3年後の稼働台数でも法人向けスマートフォンが50%を超えるという見通しを示した。法人市場にもスマートフォン主流の時代が到来するとしている。

 法人向けの携帯電話・スマートフォンの総量についても調査。いずれも増加傾向にあり、従業員配布率では現在が平均25.1%であるのに対し、1年後には27.7%、3年後には30.5%にまで拡大すると予測した。同社では、従業員配布率が増加している背景につき、昨今の箱根山や九州地区での火山活動の活発化、大雨による鬼怒川の決壊など、自然災害が増えていることが緊急時の安否確認、連絡手段確保の需要を呼び起こし、法人端末数拡大に結びついていていると分析している。

 法人名義の携帯電話・PHS、スマートフォンのいずれかを現在、従業員や役員などに「配布している」企業は72.6%に達し、「配布していない」企業は27.4%だった。スマートフォンに限ると、配布している企業では「本格的に導入利用済み」が27.6%で、「テストまたは部分導入利用済み」の8.0%を合わせると導入企業全体では35.6%に達した。

 一方、スマートフォンの導入拡大の阻害要因として最も多かったのは「セキュリティへの不安(不正アクセスによる情報漏えい)」で51.7%と突出しているという。次いで「セキュリティへの不安(ウイルス感染)」の41.6%、「セキュリティへの不安(端末の紛失による情報漏えい)」の34.9%と、上位3位をすべてセキュリティ関連が占めた。前年調査と同じ並びだが、3つとも比率が上昇していることから、同社では、セキュリティに対する不安がいっそう拡大していることが鮮明になったと分析している。

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