シンクタンクのアイ・ティ・アールは2016年1月7日、2016年に企業が注目すべき10のIT戦略テーマを「攻めのIT」と「守りのIT」とに分類して発表した。このうち、「攻めのIT」の注目テーマの1つである「デジタルビジネス創出に向けた体制・プロセスの確立」では、2018年までに消費者向け製品・サービスを提供する大企業の40%以上が「デジタルビジネスを推進する機能を有する組織を設置する」と予測。また、「守りのIT」で注目の「多台数化に対応したモバイルワーク支援体制の確立」では、2018年までにスマートデバイスを従業員の半数以上が業務に利用する企業の割合が全体の50%に達すると分析した。

 同社では、「攻めのIT」分野での注目テーマを「デジタルビジネス創出に向けた体制・プロセスの確立」「デジタルマーケティングへの注力」「サービスデザインによる顧客価値向上への取り組み」「イノベーションおよびビジネス強化のためのIoTの推進」「SoEのためのシステム構築手法の確立」の5つと指摘。例えば、「デジタルマーケティングへの注力」では、2018年までに消費者向け製品・サービスを提供する大企業の70%以上が、デジタルマーケティングに着手するという。

 また、「イノベーションおよびビジネス強化のためのIoTの推進」では、2018年までに、IoTを既存ビジネスに活用する大企業が50%を越え、大企業の20%以上がIoTによるビジネス・イノベーションに取り組むと予測した。同時に大手ITベンダーの80%以上がIoTソリューションを提供するようになるという。

 一方、「守りのIT」分野での注目テーマについて、同社は「多台数化に対応したモバイルワーク支援体制の確立」「データ分析システム基盤の再構築」「データライフサイクル管理体制を視野に入れた情報漏洩対策の強化」「業務委託に係る再委託先管理の強化」「グループITの全体最適化とサービス化」の5つと分析。モバイルワーク支援体制の確立では、2018年までに全従業員の総IT利用時間の50%以上は、モバイルデバイスによるものとなると予測。「グループITの全体最適化とサービス化」では、2018年までに大企業の70%以上がグループ共通のITインフラを整備すると分析している。

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