図●「IoT」と「ソーシャル」の投資意向比較
図●「IoT」と「ソーシャル」の投資意向比較
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社のノークリサーチは2016年1月6日、中堅・中小企業における新規IT活用の動向に関する調査結果を発表した。それによると、年商300億円以上~500億円未満の企業に「今後3年以内に投資の可能性がある新たなIT活用領域」について調査した結果、IoTが16.7%で、SNSを活用した認知向上や顧客接点拡大などのソーシャル分野が14.6%、年商5億円~30億円未満の企業でもIoTが11.1%だったのに対し、ソーシャルが5.1%だった()。

 同社では、IoTの分野では、米GEが主導する「Industrial Internet」やドイツが国家レベルで推進する「Industrie4.0」といった大掛かりな取り組みが話題となることが少なくないと分析。その一方で、年商500億円未満の小さな企業層においても、IoTへの取り組み意向がソーシャルを上回っていると指摘した。

 同社は、「2015年10月以降に前四半期と比べてIT投資額を増やす」と回答した年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、IT投資を増やす理由についても調査。それによると、「製品/サービスの開発にITが必要である」が15.3%でトップ、次いで「業態の拡大や転換にITが必要である」が13.0%、「販路の創出や拡大にITが必要である」が11.5%と続いた。

 また、同社はECサイトを運営する中堅・中小企業を対象にクラウドの活用実態についても調査。それによると、顧客管理システムやWebサイト、ECサイトにおけるクラウド活用の障壁として、6.7%の企業が「クラウド事業者による障害が心配である」と回答。次いで、「外部からの攻撃にさらされる危険がある」が5%、「規則や規定で社外にデータを置けない」が3.3%と続き、中堅・中小企業が直面しているクラウド活用の障壁が明らかになった。同社では、中堅・中小企業がIoT関連ビジネスに取り組むには、強固で信頼できるシステム基盤の提供が非常に重要と分析している。

ノークリサーチの発表資料へ