調査会社の富士キメラ総研は2015年1月5日、ネットワークにおけるセキュリティサービス/製品の国内市場に関する調査結果を発表した。

 それによると、2014年度の市場規模は、前年度比7.4%増の3859億円に達すると見込む。さらに、2015年7月にWindows Server 2003のOS保守サポート終了が予定されていることから需要は堅調に推移し、2018年度には2013年度比31.1%増の4712億円に達すると予測している。

 富士キメラ総研は、ネットワークセキュリティのサービス市場が拡大する要因について、運用に高度な技術やノウハウが必要でセキュリティ専門事業者が提供するサービスや、DaaS(Desktop as a Service)やMDM(Mobile Device Management)などのクラウドサービスが市場をけん引する点を挙げる。製品市場では、汎用化が進んだ製品が安定した需要を維持しつつも、新たな脅威に対応するための製品が市場拡大の要因になるという。

 また同社は、サイバー攻撃の多様化、スマートデバイスやクラウドサービスの普及といったIT環境の変化により、セキュリティ対策の見直しを行う企業が増加していることも指摘する。標的型攻撃をはじめとして攻撃が一層巧妙化していることや、企業の業務システムの集約化/ネットワーク化に伴い被害の範囲が拡大していることから、組織内で脅威となる現象や事案の監視、緊急対応を行うCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置する企業も増えつつあるという。これらのことが、今後もセキュリティサービス/製品市場拡大の要因になると分析している。

 セキュリティサービス/製品市場をカテゴリー別で見ると、2018年度に市場規模が最も大きくなるのはネットワークセキュリティだと同社は言う。ネットワークセキュリティの市場規模は2018億円に達し、全体の44%を占めるようになるとしている。

 2013年度と比べて構成比が大きくなるのは、Webセキュリティ、コンテンツセキュリティ、制御システムセキュリティのカテゴリー。そのうち、特に注目なのが制御システムセキュリティの市場で、2014年度に20億円、2018年度には2013年度比6.7倍の80億円になると予測している。

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