米Amazon.comがタクシーを利用した配送サービスを検討しているらしい。最初に伝えた米Wall Street Journal(WSJ)の記事を引用するかたちで、複数の海外メディア(米Engadget英Reuters)が現地時間2014年11月5日に報じた。

 WSJが関係者から得た情報によると、Amazon.comはこの秋、サンフランシスコとロサンジェルスでタクシーを使った配送サービスをテストした。同社はこの試験運用のために、タクシー配車アプリケーション「Flywheel」を手がける米Flywheel Softwareと提携。同アプリケーションでタクシーを小型配送センターに手配し、届け先が同じ地域(同一郵便番号)の小包を最大10個積載して配達した。配送料は小包1個あたり5ドルで1時間位内の範囲が対象。

 タクシーの利用は、配達時間を短縮して実店舗に直接対抗するための最新の試みであり、米UPSや米FedEX、米郵政公社以外の配送手段を模索するためでもあるとWSJは指摘している。Amazon.comは昨年のホリデーシーズンに配送遅延という苦い経験をした。同社は昨年来、地域宅配業者との提携を拡大するほか、独自の配送手段の試験運用に取り組んでいる(関連記事:Amazon.com、小型無人飛行機による配送システムを開発中)。

 また米Googleも即日配達サービス「Google Express」の対象地域を広げ(関連記事:Googleが即日配達サービスを拡大、月額10ドルの「Google Express」)、ドローン配送システムの開発プロジェクトも進めている(関連記事:Googleもドローン配送システムを開発中、オーストラリアで実地試験)。