Arcserve Japanは2014年11月5日、イメージバックアップソフト「Arcserve Unified Data Protection」(Arcserve UDP)の新版「Update2」を発表した。2014年12月中旬から出荷する。新版では、仮想環境や各種アプリケーションへの対応を拡張した。開発会社は米Arcserve。価格(税別)は、バックアップ対象の台数や規模に応じて変わり、物理サーバー1台当たり8万円から、または1CPUソケット当たり8万円から。

 Arcserve UDPは、企業情報システムのバックアップ用途に適した多機能型のイメージバックアップソフトである(関連記事:CAがイメージバックアップソフトの新版)。OSを含めてシステムイメージを丸ごとブロックレベルでバックアップするイメージバックアップ機能を中核に、ファイル単位のバックアップ/リストアー機能や遠隔レプリケーション機能などを追加している。

 ソフトウエアは三つの要素で構成する。(1)バックアップスケジュールなどを監視する「管理コンソール」、(2)バックアップ対象マシン(Windows、Linux)に導入する「エージェント」、(3)バックアップイメージを格納する「復旧ポイントサーバ」(Recovery Point Server:RPS)、---である。仮想環境(VMware vSphereおよびHyper-V)については、個々の仮想サーバーをエージェントレスでバックアップできる。

Oracle on Windowsのオンラインバックアップなどが可能に

 今回の新版では、仮想環境への対応や各種アプリケーションへの対応を拡張した。

 仮想環境では、例えば、Hyper-Vをクラスター構成で運用する際の共有ストレージ領域であるクラスタ共有ボリューム(CSV)に対応し、CSV上にある仮想マシンをバックアップできるようにした。また、新規のバックアッププランの作成時に、新しいVMwareとHyper-Vのノードを容易に検出/インポートできるようにした。

 アプリケーション対応では、例えば、Windows上で動作するOracle Databaseについて、データベースを停止させることなく、稼働中にバックアップできるようにした。また、VMware仮想サーバーのエージェントレスバックアップにおいて、Exchange Serverのバックアップイメージからメール単位で復旧できるようにした。

 管理機能も強化した。例えば、バックアップ元のディスクより小さいディスクに対してバックアップイメージを展開して復旧できるようした。また、統合コンソールからバックアップ対象サーバーの設定を削除することによって、復旧ポイントサーバ上にある関連サーバーのバックアップデータを削除できるようにした。

 なお、Arcserve UDPの初期版が登場したのは2014年5月のことである。既存のイメージバックアップソフト「CA ARCserve D2D」の後継製品として、ARCserveブランドを構成する他の2製品(ARCserve BackupおよびARCserve Replication/ARCserve High Availability)の機能を統合する形で登場した。その後、開発会社の米CA TechnologiesがArcserve UDPを売却し、現在では米Arcserveの製品となっている。今回のUpdate2は、2014年10月1日に日本法人のArcserve Japanを設立してから初めてのバージョンアップとなる。