写真●Spoonを利用したCitrix XenAppのOS移行の概要図(出典:日本ユニシス)
写真●Spoonを利用したCitrix XenAppのOS移行の概要図(出典:日本ユニシス)
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 日本ユニシスは2014年11月4日、本来はインストールが必要なWindowsアプリケーションをOSにインストールせずに使えるようにするソフト「Spoon」の販売を開始した。2015年7月15日にサポートが切れるWindows Server 2003とCitrix XenAppの組み合わせで動いている業務アプリケーションを現行OSに移行するためのツールとして販売する(写真)。Spoonの開発会社は米Code Systemsで、同ソフトを2014年8月から販売している双日システムズと協業し、双日システムズを介した2次代理店として販売する。

 Spoonは、VMware ThinAppと同等の機能を提供する、アプリケーション仮想化ソフト(ポータブル化ソフト)である(関連記事:双日システムズ、ポータブル化ソフト「Spoon」を販売)。本来はインストールが必要なアプリケーションを、OSと切り離してポータブル化する。これにより、Windows Server 2003などの旧式OSの上でなければ動作しないアプリケーションを、最新のWindows OSの上で動作させることができる。この理由は、ポータブル化によって、異なるバージョンのWebブラウザーやオフィスソフトなどを、単一のOSの上でDLLを競合させることなく同時に利用できるからである。

ターゲットはXenAppユーザーのOS移行

 日本ユニシスが想定しているSpoonの適用用途は、古いOS環境(Windows Server 2003以前)で動かしているCitrix XenApp環境を、現行OS環境(Windows Server 2012 R2)へと移行すること。XenApp上で利用しているWindows Server 2003以前のアプリケーションをSpoonを使ってポータブル化し、これを現行OS環境のXenApp上で動作させるというシナリオである。

 ポータブル化の対象アプリケーションは、ユーザー企業がスクラッチで開発した業務アプリケーションや、Webアプリケーションのクライアントとして使っている古いIE(Internet Explorer 6)である。スクラッチで開発したアプリケーションは、そのままポータブル化して使う。一方、IE6については、双日システムズが開発/提供しているIE代替ブラウザー「thinforie」を利用する。

 日本ユニシスは今回、Spoonを国内で販売している双日システムズと協業し、Spoonの販売を開始した。同社を介してCitrix XenAppを導入した既存顧客を中心に、新規のXenAppユーザーを合わせて今後3年間で2万ライセンスの販売を見込む。一方、双日システムズから見ると、Spoonの販売パートナー契約を交わしたのは今回の日本ユニシスが初めてとなる。

 日本ユニシスによるSpoonの価格(税別)は、双日システムズと同じ。具体的には、ポータブルイメージの作成ライセンスが72万円で、実行ライセンスが1ユーザー当たり7200円(最小購入数は25ユーザー)。