スイス・ミドクラは2014年11月3日、ネットワーク仮想化ソフトウエアである「Midonet」をオープンソースソフトウエア(OSS)として公開した。ミドクラジャパンの加藤隆哉共同創業者兼会長は、「Midonetのオープンソース化によって、クラウドOS『OpenStack』環境における標準的なネットワーク仮想化ソフトを目指す」と語る。Midonetの販売やサポート体制に変更は無い。

 Midonetはハイパーバイザーの仮想スイッチ「Open vSwitch」をコントロールし、仮想スイッチ間でトンネル通信を行うことで仮想的なネットワークを作り出すという「オーバーレイ型」のネットワーク仮想化ソフトである。OpenStackと連携可能にしており、Midonetの機能をOpenStackから操作できる。ミドクラが2013年4月からMidonetを販売しており、KVHやノルウェーのZetta.IOといったクラウドサービス事業者が、既にMidonetを採用しているという。

 ミドクラジャパンの加藤会長は「SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)分野のOSSとしては『OpenDaylight』があり、当社もOpenDaylightの開発プロジェクトに参加している。ただしOpenDaylightはオーバーレイ型のネットワーク仮想化の機能が乏しかった。既存ユーザーやOpenStackコミュニティからも、オーバーレイ型のネットワーク仮想化ができるMidonetのオープンソース化を望む声が大きくなってきたことから、OSSとしての公開を決めた」と語っている。MidonetのOSS化は、フランス・パリで開催する「OpenStack Paris Summit 2014」で発表した。