写真●米ガートナーのデーブ・アロン氏(右)とガートナージャパンの長谷島眞時氏
写真●米ガートナーのデーブ・アロン氏(右)とガートナージャパンの長谷島眞時氏
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 ガートナージャパンは2014年10月30日、「Gartner Symposium/ITxpo 2014」でメディア限定セッションを開催した。米ガートナーでリサーチ部門バイスプレジデント兼ガートナーフェローを務めるデーブ・アロン氏は「CIO(最高情報責任者)が担っている役割の90%が将来不要になる」と警鐘を鳴らし、デジタルビジネスの拡大やITアーキテクチャーの統合といった仕事が中心になるという考えを示した。

 アロン氏はセッションの冒頭、「企業はデジタル化のど真ん中にいる」と語った。こうしたデジタル化の急速な進展を踏まえ、CIOは「統制」や「統括」という考え方から抜け出し、ビジョンを示してリーダーシップを発揮するやり方に移行すべきだと持論を展開した(写真)。

 一方、ガートナージャパンのエグゼクティブプログラム グループバイスプレジデント兼エグゼクティブパートナーである長谷島眞時氏はデジタル化を推進するうえで「CIOは頭でっかちにならず、システムに実装していく部分の重要性を見直すべきだ」と力を込めた。デジタル化の議論では、「(理想が先行し)どう実現するかがないがしろにされがち」(長谷島氏)という考えからだ。

 長谷島氏は「実装を軽視したやり方が成功するとは思えない」と指摘。最新のIT技術の完成度や限界を理解しているCIOであれば、システムの実装段階で「専門家としての強みを発揮できる」(長谷島氏)と強調した。