写真●富士通の塚野英博執行役員常務/CFO
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写真●富士通の塚野英博執行役員常務/CFO

 富士通は2014年10月30日、2014年4~9月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.9%増の2兆1928億円、営業利益は同6.2%増の322億円と増収増益だった。「7月に公表した計画に対し、売上高で428億円、営業利益で約72億円上回った」(塚野英博執行役員常務/CFO、写真)。PCや携帯電話などの「ユビキタスソリューション」事業が計画を上回った。

 SI(システムインテグレーション)やインフラサービスを含めた「テクノロジーソリューション」事業は、売上高が前年同期比2.0%増の1兆4921億円、営業利益は同32.3%減の507億円と増収減益だった。減益の要因としては、国内では、新規ビジネス対応の先行投資を進めたことやサーバー関連事業の減収影響などがあった。海外では、前年同期に欧州子会社で退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益を計上していたためである。

 テクノロジーソリューションの減益について、塚野CFOは「国内のSI需要は堅調で、第3四半期、第4四半期にかけて受注残が積み上がっている。一部のSEリソースがひっ迫している状況だ。確実に消化することで、上半期の減益分を取り返せる」と語る。

 2015年3月期通期の連結業績予想は、売上高が4兆8000億円、(前年同期比0.8%増)、営業利益が1850億円(同25.6%増)と据え置いた。ただしその内訳は変更しており、テクノロジーソリューション事業の売上高は3兆3200億円とし、前回予想に比べ300億円上方修正した。国内サービスにおける新規連結子会社の売上高増や、海外サービスにおける上半期の円安による為替影響などを織り込んだ。

 一方、ユビキタスソリューションについては、PCの需要減などから売上高を1兆400億円とし、前回予想と比較して100億円下方修正。「デバイスソリューション」の売上高は5900億円とし、200億円下方修正した。PCやスマートフォン向け電子部品の低価格化などの影響を加味した。