写真●NTTデータの岩本敏男代表取締役社長
写真●NTTデータの岩本敏男代表取締役社長
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 NTTデータは2014年10月30日、2014年4~9月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比13.5%増の6958億円、営業利益は同738.3%増の220億円だった。新規顧客開拓や国内外の子会社の規模拡大などにより増収。増収と不採算案件の減少により、増益となった。

 会見に臨んだNTTデータの岩本敏男社長は、「昨年度は不採算案件6件によって下方修正に追い込まれたが、その6案件は既にグリップできている状態。今年はプラスの方向に行く予定だ」と語った(写真)。NTTデータによると、昨年発生した不採算案件6件のうち3件は既に稼働しており、残り3件については、2014年度中に1件、2015年度中に2件をカットオーバーさせる予定だという。

 2014年4~9月期にも、新たに不採算案件が発生しているものの、「昨年度の6案件に比べると、(業績に打撃を与えるような)大きな問題はない」と岩本社長は話す。受注状況ついては、「昨年度に続き、今年度も受注高1兆3000億円をキープできる見通しだ」(同)という。

 セグメント別に見ると、金融や公共向けの「パブリック&フィナンシャル(P&F)」は増収増益。売上高は前年同期比2.2%増の3307億円、営業利益は同92.0%増の203億円だった。

 製造業や流通業向けである「エンタープライズITサービス(E-IT)」も増収増益。売上高は前年同期比3.1%増の1310億円、営業利益は前年同期に比べて114億円増となり、22億円の黒字に好転した。

 クラウドサービスなどを手掛ける「ソリューション&テクノロジー(S&T)」は減収減益。売上高は前年同期比で1.7%減の835億円、営業利益は18.9%減の17億円だった。

 海外事業の「グローバルビジネス(GB)」は増収減益。売上高は前年同期比で49.4%増の2215億円、営業損益は48.2%減で34億円の赤字。のれん償却などの影響が減益要因となった。2015年3月期通期業績予想については、売上高1兆4600億円(前期比8.6%増)、営業利益は850億円(同35.8%増)で据え置いた。