米IHSは現地時間2014年10月28日、米Appleの最新タブレット端末「iPad Air 2」の原価分析結果(推定値)を発表した。それによると、iPad Air 2と前機種の「iPad Air」はハードウエア原価がほとんど変わらないという。

 IHSがiPad Air 2の実機を分解して調査したところ、16Gバイトモデル(Wi-Fi接続専用)のBOM(Bill of Material:部品表)に基づく部品原価は270ドルで、製造コストの5ドルを合わせると推定275ドルとなる。同社が昨年11月に分解調査したiPad Airの16Gバイトモデル(Wi-Fi接続専用)は部品コストが269ドルだった。

 iPad Air 2のハードウエア原価で最も大きな割合を占めるのは77ドルのディスプレイ。タッチスクリーンモジュールは38ドルと見られる。それぞれ前機種の90ドルと43ドルより安くなった。

 強化したプロセッサ「A8X」およびコプロセッサ「M8」の原価は合計で22ドル。前機種が搭載していた「A7」と「M7」は合計18ドルだった。

 バッテリーは15ドルと推測。iPad Air 2は連続駆動時間が前機種と同じながら、バッテリーは前機種の32.9Whから27.6Whに縮小した。より小型のバッテリーとより薄いディスプレイが、薄さ6.1mmの実現に貢献していると、IHSは指摘している。

 そのほか、カメラ(120万画素のフロントカメラおよび800万画素のリアカメラ)の原価は11ドル、指紋認証センサー「Touch ID」を含めた各種センサーは合計22ドルと推測される。

 NAND Flashの推定コストは、16Gバイトが6.75ドル、64Gバイトが27ドル、128Gバイトが54ドルと上昇し、16Gバイトと128Gバイトの差額は47.25ドル。希望小売価格でみた場合、両モデルは200ドルの開きがある。なお、前機種は16Gバイトモデルと128Gバイトモデルの希望小売価格の差は300ドルだった。

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