Web関連技術の標準化団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)は2014年10月28日(米国時間)、Webページの記述に広く使われているHTMLの第5版である「HTML5」を勧告として公開した(プレスリリース日本語プレスリリース)。

 Webページの記述用言語として広く普及している「HTML 4.01」は、あくまでWeb文書のための仕様であり、Webでどのようにアプリを実現するかはほとんど考慮されていなかった。このため、HTMLの新バージョンであるHTML5には、JavaScriptの使用を前提とした「アプリケーション」の概念が導入されている。

 HTML5には、3Dグラフィックスやローカルストレージといった、従来のHTMLにはなかった仕様が盛り込まれている。また、スマートフォンやタブレットなどの端末が内蔵するセンサーの情報を利用するといったことも可能になっている。こうしたHTML5の機能を活用することで、高機能なWebアプリを作ることが可能になった。

 W3Cは2012年12月にHTML5の仕様定義が完了したと発表し、正式勧告に向けてテストを行ってきた。W3Cが公開しているHTML5のテストスイートに10万以上ものテストが追加されているという。HTML5勧告では、60以上の企業がロイヤリティフリーのライセンスに同意しており、誰でも使用料を払うことなくHTML5を利用できる。