米Google傘下のYouTubeは、広告が表示されない有料サブスクリプションサービスを計画していると複数の海外メディア(米New York Times米Wall Street Journal英Reuters記事など)が現地時間2014年10月28日までに報じた。

 カリフォルニア州のハーフムーンベイで開催されたカンファレンス「Code/Mobile」で、YouTubeの最高経営責任者(CEO)、Susan Wojcicki氏が明らかにしたもの。同社はユーザーにより多くの選択肢を与えながら、利用が急増しているモバイル端末に適したサービスを提供したい考えだという。

 Wojcicki氏はインタビューに答え、有料の動画サービスの開始は「近々」と述べたが、具体的な時期や料金などには言及しなかった。ただNew York Timesは事情に詳しい関係者の話しとして、この試みはまだ早期の段階だと伝えている。YouTubeは現在、米Walt Disneyなどの大手や、多くの動画視聴者を持つ個人に連絡を取っており、これらコンテンツプロバイダーが興味を持つか確認しているところだという。

 YouTubeの有料サービスについては、今年8月、月額9.99ドルの音楽配信サービスを計画していると伝えられたが、今回Wojcicki氏が明かした有料動画サービスは、これと同様の事業モデルだとWall Street Journalは伝えている。既存の無料サービスと、広告表示のない付加的なサービスの2つを用意し、ユーザーに選んでもらうのが狙いという(関連記事:YouTube、月9.99ドルの音楽配信サービス「YouTube Music Key」開始か)。

 なおYouTubeは昨年5月にサブスクリプション方式の有料チャンネルを始めた。こちらはコンテンツ提供者が自身のチャンネルを開設し、ユーザーから視聴料金を徴収できるようにするというもの。同社は昨年10月にこれを拡大し、コンテンツパートナーや対象国を増やしている(関連記事:YouTube、サブスクリプション方式の有料チャンネル開始)。

 また、有料音楽配信サービスについて、YouTubeはまだ何ら発表を行っていないが、Wojcicki氏はカンファレンスで「近々の登場を楽観視している」とだけ答え、具体的な開始時期についての言及は避けたという。