写真1●英国へのベンチャー誘致について説明する英国貿易投資担当国務大臣のイアン・リビングストン卿
写真1●英国へのベンチャー誘致について説明する英国貿易投資担当国務大臣のイアン・リビングストン卿
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 英国貿易投資総省(UK Trade & Investment、UKTI)および駐日英国大使館は2014年10月28日、日本のテクノロジー系ベンチャー企業を対象にビジネスアイデアを募集するコンペティション「Japan UK Tech Awards」をこの日から開始すると発表した。こうしたコンペティションを通して、英国に技術力のあるベンチャー企業を誘致することを狙う。

 登壇した英国貿易投資担当国務大臣のイアン・リビングストン卿は、「英国のテクノロジーセクターは世界有数の活気ある市場。GDPのうちインターネット分野の占める割合は英国が世界で最も高く、電子商取引の比率も高い」といった状況を説明した後、ベンチャー企業への優遇税制や同国首相自らスタートアップのサポートを重要視していることなどを紹介。「欧州と米国の間にあり、アフリカ、中東も展望に入れられる。世界展開の拠点として英国は非常にいい」とアピールした(写真1)。

 実際、ロンドンオリンピック跡地を含むロンドン・イーストエンド地区のIT企業集積地Tech City(関連記事)には約1300社ものベンチャー企業が集積しているという。また、英国は金融の中心地でもあり、いわゆる「FinTech」(Financial Technology)系ベンチャー企業の進出先としても期待されている。

 Japan UK Tech Awardsは、本日から12月10日まで実施されるアイデアコンペティションで、応募は11月28日まで受け付ける。対象企業は、高い成長力のあるテクノロジー系のベンチャー企業で、(1)設立から3年以上経過していること、(2)4人以上の従業員がいること、(3)日本にオフィスがあること、(4)英国にオフィスがないこと――、が条件となっている。

 応募に当たっては英文で3-5ページ程度のビジネスプランを提出する。既存の製品やサービスでどのように英国の市場を切り開いていくかを記述することとしている。応募の中から5社程度を「Winner」として選出し、英国滞在や英国のインキュベーション施設の利用などの特典が与えられる。日本側はNTTドコモ・ベンチャーズが同Awardsに共催、トーマツベンチャーサポートが協力している。

 駐日英国大使館 貿易・対英投資部 マーケティング・運営ヘッドのカール・オキャラハン氏によると同種のアワードは既に米国やフィンランドなどで実施したことがあるという。Winner選出に当たっては、商品やサービスの魅力、商品やサービスの英国市場へのフィット感、潜在的な成長力に基づいて審査するとしている。