写真●講演する日産自動車の行徳セルソ常務執行役員/CIO
写真●講演する日産自動車の行徳セルソ常務執行役員/CIO
[画像のクリックで拡大表示]

 日産自動車でCIO(最高情報責任者)を務める行徳セルソ常務執行役員は2014年10月28日、ガートナージャパンが都内で開催している「Gartner Symposium/ITxpo 2014」で講演し、デジタル戦略を加速させるために「Speed」「Standardization(標準化)」「Simplification(簡素化)」を指す“3S”に注力する考えを示した。

 日産は2013年ごろから、デジタル戦略を支えるビッグデータ活用基盤の整備を進めている。具体的には、基幹系システムやインターネット、自動車から膨大なデータをビッグデータ活用基盤に収集し、社内のデータサイエンティストが解析して現場にフィードバックするという流れだ。

 行徳常務はこうしたビッグデータ活用の実例として、電気自動車「リーフ」の走行履歴データの分析と、自動車の故障検知システムの二つを紹介した。例えば、リーフの走行履歴データを分析することで、地域ごとの違いが見え始めているという。

 既に日産はビッグデータ活用の推進に向けて、米シリコンバレーに研究開発拠点を開設済み。行徳常務は「ベンチャーのマインドや技術を取り込んでいく」と強調した(写真)。日産はシリコンバレーで蓄積した知見やノウハウを活用し、ネットにつながった自動車が生み出すビッグデータを使った新ビジネス・サービスなどを開発するとみられる。

 講演の最後に、行徳常務はIT部門がデジタル戦略を担うために「(IT部門も)変わっていかなければならない」と力を込めた。