米IBMは2014年10月27日(米国時間)、米国ラスベガスで開催中のイベント「IBM Insight 2014」のジェネラル・セッションで、講演の目玉の一つとしてデータ分析のクラウドサービス「Watson Analytics」のデモを披露した(写真1~4)。既にサイトを公開済みで、近日中にベータ版サービスを始める(Watson Analyticsのサイト)。SQL文を使わず自然言語で解析を指示できるなど、ITや統計解析の専門知識がない一般従業員にも使えるという。
IBMは、データ連携など一部の機能を省いたベーシック版を無償提供するフリーミアムモデルを採用することで、Tableau Softwareなど成長中の他社BIソフトに対抗する。「誰でも使ってもらえ、インサイト(洞察)に至る時間を短縮できる」(Predictive and Business Intelligence, Business Unit Executiveのマーカス・ハーン氏)。
Watson Analyticsは、同社の可視化ソフトCognosや統計解析ソフトSPSSをベースに、自然言語認識エンジン、データベース機能などを付加したもの。自然言語を使える共通点から「Watson」の名前を冠するが、質問応答システムのWatsonとは別系統の製品である。2014年1月に新設されたWatson Groupではなく、CognosやSPSSなどの製品群を扱うSoftware Groupが開発、販売を担う。
Watson Analyticsのほか、可視化ソフト「Cognos Business Intelligence」、統計解析ソフト「SPSS Modeler」もクラウドサービスとして提供する。Cognos Business Intelligenceは現在ベータ版を提供中で、いずれも30日以内にIBMのCloud marketplaceで入手可能になる。