写真1●BladeSymphony BS2500の外観
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写真2●日立製作所、情報・通信システム社、ITプラットフォーム事業本部、事業統括本部、事業主管の森山隆志氏
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 日立製作所は2014年10月24日、ブレードサーバー「BladeSymphony」の最上位シリーズ「BS2500」を発表した(写真1写真2)。10月27日に販売を開始し、10月31日から出荷する。CPUの強化などにより、これまでハイエンドだった「BS2000」と比べて、ブレード当たりの性能を2.3倍に引き上げた。

 BladeSymphonyは、業務サーバーの統合に適した高性能なブレードサーバー製品である。個々のサーバーブレードは、独立して動作するサーバー機というよりは、SMP(メモリー共有型マルチプロセッシング)機におけるCPU/メモリーボードのような位置付けであり、ブレード間にまたがったSMP構成も可能である。シャーシが搭載しているI/O共有モジュールを介してストレージやネットワークを利用する。

 特徴の一つは、高性能を要求するアプリケーションを動作させられるように、最大4台にまたがったブレード間のSMP構成が可能であること。もう一つの特徴は、互いに影響を及ぼさない複数のサーバー機として動作させられるように、ハードウエア/ファームウエアによる論理パーティショニング(LPAR)機能を備えること。LAPRには、それぞれ独立した物理I/Oを割り当てることができる。同社はこのLPARのことを「Virtage」と呼んでいる。

 さらに、Intel VT-x(Xeon CPUが備えるハードウエア仮想化支援機構)を論理的に多重化しており、それぞれのLAPRに割り当てられるようにしている。これにより、個々のLAPRの上でKVMやHyper-Vなどのサーバー仮想化ソフトを動作させることができるようにしている。これにより例えば、重要なアプリケーションを一つのLPAR上で直接動作させ、別のLPAR上で仮想サーバーを統合するといった使い方ができる。

 同社は今回、BladeSymphonyの最上位シリーズとして、BS2500を用意した。ローエンドのBS500シリーズやハイエンドのBS2000シリーズの、さらに上位に位置する。搭載するXeon CPUのスペック向上などによって、サーバーブレード1台当たりの性能はBS2000と比べて2.3倍に向上した。SMPの最大構成(サーバーブレード4台)におけるスペックをBS2000と比べると、コア数は1.5倍の120コア、メモリーは2倍の6Tバイト、最大I/Oスロット数は2倍の16スロット、I/O帯域は2.6倍の192Gバイト/秒、---になった。シャーシに搭載可能なサーバーブレードの台数はSMP構成時に最大8台であり、BS2000と同じである。

 今回、LPAR機能のVirtageも強化し、メモリーアクセスの頻度が高くなるインメモリーデータベース(SAP HANA)向けにチューニングを施した。これにより、SAP HANAの性能を数%向上させたとしている。具体的には、LPARを制御するデータ/プログラムの配置を最適化し、データ配置の制御によってメモリーバスの競合を回避した。

 価格(税別)は、シャーシの「サーバーシャーシA1」が159万4000円から。サーバーブレードの高性能モデル「高性能サーバーブレード」(Xeon E7-4800 v2/E7-8800 v2)が286万円から。サーバーブレードの標準モデル「標準サーバーブレード」(Xeon E5-2600 v3)が77万3000円から。