写真1●日本IBM ソフトウェア事業本部 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長 望月敬介氏
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写真2●日本IBM ソフトウェア事業本部 インフォメーション・マネジメント事業部 BigData&DM製品営業部 統括部長 森英人氏
写真2●日本IBM ソフトウェア事業本部 インフォメーション・マネジメント事業部 BigData&DM製品営業部 統括部長 森英人氏
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 日本IBMは2014年10月23日、ビッグデータ処理に特化した統合プラットフォーム「IBM PureData System」の新ラインアップとして、Netezzaテクノロジーをベースとしたアナリティクス基盤の新製品「IBM PureData System for Analytics N3001」を発表した。同日より販売と出荷を開始する。

 日本IBM ソフトウェア事業本部 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長の望月敬介氏(写真1)は、ビッグデータやアナリティクスに関する市場の動向について、「先行する企業ではすでにビッグデータに関する実践能力やスキルを蓄積しており、全体的に今後も取り組みが進む傾向にあるほか、分析もこれまで以上に高度分析へとシフトしている。一方で、導入にあたってはセキュリティやコンプライアンスを懸念する企業も多く、導入コストも課題となっている」と語る。

 IBM PureData System for Analytics N3001は、こうした市場背景を考慮して誕生した製品だという。まず、高度分析のニーズに応えるため、CPUの能力を強化した。これにより、データ処理をデータベース上で行うIn-Database分析処理能力が向上し、統計解析ツールの併用による予測分析や、モバイルおよびソーシャルデータの分析などにも対応できるようになった。

 セキュリティに関しては、これまでパフォーマンスを重視するために控えてきた自動暗号化機能をアプライアンス内の全データディスクに追加し、データの安全性を向上したほか、ケルベロス認証もサポートした。

 ラインアップも強化し、ハイエンドモデルとエントリーモデルの2つの新モデルを追加した。ハイエンドモデルの「N3001-080」は、1.5ペタバイトの容量をサポートする8ラックモデルとなる。

 エントリーモデルの「N3001-001」は、導入コストを課題とする企業へのニーズに対応するものだ。汎用サーバー上でNetezzaテクノロジーを動作させるもので、28並列プロセス、データ容量16テラバイトのアプライアンス。参考価格は、初年度保守料金込みで2400万円(税別)からとなる。

 エントリーモデルについて、日本IBM ソフトウェア事業本部 インフォメーション・マネジメント事業部 BigData&DM製品営業部 統括部長の森英人氏(写真2)は、「これまで分析にSQLなどを使っていたユーザーが、高度なデータ分析を安価に実現できるようになる」とする。また、Netezza製品の運用保守の簡易性もアピール、Amazon Redshiftを検討していたユーザーが、「開発や運用の専門家を必要とせずにデータをロードするだけで使える製品を考慮すると、Netezzaが最も低コストに実現できる」として選択に至った事例を紹介した。

 エントリーモデルを市場投入することで、既存のユーザーもエントリーモデルに流れ、市場が縮小するのではないかという問いに対し、森氏は「数年前ではその懸念もあったが、今は高度分析に対するニーズが高まっているタイミングで、既存の製品を利用しているユーザーはよりハイエンドな製品を求めている。一方、コストがネックとなって導入できなかったユーザーがエントリーモデルを利用できるようになるため、市場は拡大する」と述べた。