写真●CloudDataBankの概要(出典:ラネクシー)
写真●CloudDataBankの概要(出典:ラネクシー)
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 ラネクシーは2014年10月23日、オンプレミスに設置するNAS装置でありながらデータをクラウドストレージ「Amazon S3」に保存するようにしたゲートウエイ製品「CloudDataBank」(写真)を発表した。2014年11月から提供する。Amazon S3を高速に利用するためのデータキャッシュとして機能する。NAS装置をレンタル型で貸与し、ストレージ容量に応じた月額制のサービスとして提供する。

 CloudDataBankは、Amazon S3(オブジェクトストレージ)のゲートウエイとなるNASヘッド装置を、ストレージ領域とともに月額制で提供するサービスである。社内LAN上のパソコンや業務アプリケーションからWindowsファイルサーバー(CIFS)としてファイルアクセスし、裏ではAmazon S3にデータを格納する仕組み。同機能を持つソフトウエアを米IntelのNUC規格に準拠した小型パソコンにインストールしてアプライアンス化して提供する。

 このNASヘッド装置は、CIFSのマウントポイント(ストレージ容量は契約に依存)を提供するとともに、ファイルデータのキャッシュ機能を提供する。ローカルストレージとして容量120GバイトのSSD(ソリッドステートドライブ)を内蔵しており、この領域をキャッシュとして利用する(OSやソフトウエアの保存領域を兼ねる)。直近にアクセスしたファイルはキャッシュ上に置かれるため、Amazon S3上に実体があるにも関わらず高速にファイルにアクセスできる。

 ファイルデータをAmazon S3に保存する際には、ファイルの圧縮、分割、暗号化も実施する。分割では、容量の大きなファイルを1Kバイト程度の小さな欠片ファイルに分割し、それぞれを暗号化して保存する。これによりセキュリティを確保している。NASヘッド装置とAmazon S3の間の通信はインターネット上のHTTPS(SSL)である。

 価格(税別)は、初期費用(設定費用その他)が10万円。運用費用はストレージ容量に応じて異なり、1Tバイトの最小構成が月額5万円(1Gバイト当たり50円)、3Tバイトが月額7万円(1Gバイト当たり23.3円)、5Tバイトが月額9万円(1Gバイト当たり18円)。

ハードウエアやクラウドを選べるコンサル型のサービスも用意

 なお、専用アプライアンス機器とAmazon S3を使う「アプライアンスサービス」のほかに、NASヘッドのサーバースペックや利用するクラウドストレージを選べる契約形態である「コンサルティングサービス」も用意している。

 コンサルティングサービスでは、任意のPCサーバーにソフトウエアをインストールして、これをキャッシュ機能付きのNASヘッドとして利用できる。また、クラウドストレージとして、Amazon S3のほかに、Amazon S3互換のCloudianをベースとしたNTTコミュニケーションズの「Bizホスティング・クラウド・エヌObject Storage(Cloudn)」を選択できる。さらに、分割したファイル欠片を複数のクラウドに分散して保存できる。