米AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)が中国を訪れ、同国の副首相と会談したと海外メディアが現地時間2014年10月22日に報じた。

 それによるとCook CEOは10月22日に、中国共産党の本部や指導者の官邸などがある北京市中南海で、副首相の1人である馬凱(Ma Kai)氏と会談した。新華社通信のニュースサイト「新華網(Xinhuanet)」によると、両氏はユーザー情報の保護について意見交換したという。

 この会談は、Appleが同社クラウドサービス「iCloud」へのネットワーク攻撃を確認したと発表した翌日に行われた。これに先立ち、中国のオンライン検閲を監視するGreatFire.orgは、攻撃者が偽サイトを使ってiCloudから不正に情報を入手しようと試みたと報告していた(関連記事:中国のiCloudユーザーを狙ったサイバー攻撃、中国政府が関与か)。

 米Wall Street Journalは、新華網の短い記事からはCook CEOと馬副首相がこの問題について話し合ったのかどうかは分からないと伝えている。Appleの広報担当者も会談があったことは認めたが、それ以上のコメントは差し控えた。中国はこの問題への関与を否定したという。

 また同紙は、米FacebookのMark Zuckerberg CEOも訪中したと伝えている。Zuckerberg氏は清華大学の陳吉寧(Chen Jining)学長と会談した。同氏は、米IBMのGinni Rometty CEOとともに、清華大学経済管理学院の新たな諮問委員となる。

 清華大学の発表資料によると、諮問委員会にはこのほか、米General MotorsのMary Barra CEO、米Ford MotorのMark Fields CEOも加わっている。またAppleのTim Cook CEOや米Coca-ColaのMuhtar Kent CEOなども同委員会のメンバーに名を連ねているとWall Street Journalは伝えている。