視覚コンピューティング分野の新興会社である米Magic Leapは現地時間2014年10月21日、シリーズB投資ラウンドを完了し5億4200万ドルを調達したと発表した。米Googleを中心に、米Qualcommの投資事業Qualcomm Ventures、米Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)、米Andreessen Horowitzなどが出資した。

 Magic Leapは、Rony Abovitz社長兼最高経営責任者(CEO)が2011年にフロリダ州で立ち上げた。同社サイトによると、Magic Leapはモバイルコンピューティング、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)に対する現在の認識をさらに超えた、革新的なコミュニケーションや学習、購買、共有手段の実現を目指しているという。同社が開発した「Dynamic Digitized Lightfield Signal(Digital Lightfield)」と呼ぶ技術をベースに、ソフトウエアやハードウエアを組み合わせ、現実と隔たりなく自然な形で活用できるAR/VRソリューションを開発するとしている。

 同社はまた、GoogleのAndroid、Chromeおよびアプリケーション部門担当上級バイスプレジデントのSundar Pichai氏が取締役に就任することも明らかにした。さらにQualcommのPaul Jacobs会長とGoogleのDon Harrisonコーポレートデベロップメント部門担当バイスプレジデントがオブザーバーとして取締役会に参加する。

 海外メディア(米Wall Street Journal英Financial Timesなど)の報道によると、Magic Leapの企業価値は約20億ドルと見積もられる。しかし同社は現時点でまったく収益を生み出していない。Abovitz氏は、手術支援ロボット開発の米Mako Surgicalの共同設立者で元最高技術責任者(CTO)だった。Mako Surgicalは2013年に16億5000万ドルで米Strykerに買収されている。

[発表資料(PDF文書)]