ニュータニックスは分散ファイルシステムを採用してサーバーとストレージを同時にスケールアウトできるようにした仮想サーバー環境基盤「Virtual Computing Platform」(VCP)のハイエンド機種「NX-9000」(写真)を11月から出荷する。高いストレージ性能を要求するアプリケーション向けに、同シリーズとしては初めてオールフラッシュ(SSD)構成とした。参考価格は1ノード当たり11万ドルで、最小構成は3ノード。開発会社は、米Nutanix。

写真●Virtual Computing Platform NX-9000の外観
写真●Virtual Computing Platform NX-9000の外観

 VCPは、仮想サーバー環境の構築に特化した物理PCサーバー機である(関連記事:Nutanix、仮想環境向け分散FSサーバーに重複排除を追加)。サーバー仮想化ソフトとして、VMware ESXi/KVM/Hyper-Vのいずれかを利用できる。最大の特徴は、外部接続ストレージを使わず、VCPが内蔵しているローカルストレージ(SSD/HDD)を使って、複数のVCPにまたがった分散ファイルシステムを構成すること。この仕組みにより、VCPの台数を増やすスケールアウトによって、CPU性能とストレージ容量をともに拡張できる。

 VCPは、ハードウエアスペックに応じて、「NX-1000」「NX-3000」「NX-6000」「NX-7000」「NX-8000」「NX-9000」の全6機種を用意している。同社は 、2012年に初期モデルの「NX-2000」(NX-3000の前身)を出荷してからこれまで、大容量機種や廉価機種など、用途に合わせて異なるスペックのモデルを拡充してきた。今回新たにラインアップに加えたNX-9000は、ハイエンドモデルに当たり、VCPとしては初めてオールSSD構成とした。OLTPシステムなどのように高いストレージ性能を要求するアプリケーションに向く。

 NX-9000の1ノード当たりのスペックは以下の通り。CPUは10コアのXeon E5-2690v2(3.0GHz)を2個搭載する。メインメモリーは256Gバイトまたは512Gバイト。ストレージとなるローカルドライブはSSD(800Gバイトまたは1.6Tバイト)×6基。本体形状は高さ2U大(88ミリメートル)のラックマウント型。消費電力は最大1100ワット。