米IBMが現地時間2014年10月20日に発表した同年第3四半期(7~9月)の決算は、純利益が1800万ドルとなり、前年同期から99.6%減少した。同社は併せて不採算の半導体製造部門を米GLOBALFOUNDRIESに譲渡すると発表しており、その譲渡費用を計上した。

 売上高は223億9700万ドルで、前年同期から4.0%減少し、10四半期連続の減収となった。当期はすべての事業部門が減収だった。また継続事業ベースの純利益は34億5500万ドルで同16.5%減少。希薄化後1株当たり利益(EPS)は3.46ドルで同8.2%減少した。

 IBMのGinni Rometty最高経営責任者(CEO)は声明で、「業績結果に失望している。9月は顧客の購買行動が著しく停滞した。我々の業界は前例のないペースで変化しており、今回の決算はそのことを示した」と述べた。

 当期の売上高を事業別に見ると、サービス事業は137億ドルで、前年同期と比べ3%減少した。サービス事業の内訳は、グローバルテクノロジサービス部門が前年同期比3%減の92億ドル、グローバルビジネスサービス部門は同2%減の45億ドル。

 ソフトウエア事業の売上高は57億ドルで、前年同期と比べ2%減少。「WebSphere」「Information Management」「Tivoli」などの主要ミドルウエア製品の売り上げは37億ドルで同1%減少した。

 ハードウエア製品を手がけるシステム&テクノロジー部門の継続事業ベースの売上高は24億ドルで、前年同期比15%減。Power Systemsサーバーは同12%減少、「System z」メインフレームの売り上げも同35%減少した。

 IBMは、マイクロエレクトロニクス事業を譲渡する契約をGLOBALFOUNDRIESと締結した。IBMは今後3年にわたって、15億ドルをGLOBALFOUNDRIESに現金で支払う。これに伴い、IBMは当期の決算で47億ドルの特別損失を計上した。

 なおGLOBALFOUNDRIESは今後10年間、22nm/14nm/10nmプロセスといったサーバー向け半導体をIBMに供給する。一方でIBMは半導体の基礎研究、クラウド、モバイル、ビッグデータ解析などの分野に注力する。先に発表していた、5年間に30億ドルを投じる次世代コンピューティング向け半導体技術研究も継続するとしている。

[発表資料(2014年第3四半期決算)]
[発表資料(マイクロエレクトロニクス事業譲渡)]