写真●i-PX9800/S100の外観
写真●i-PX9800/S100の外観
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 NECは2014年10月16日、メインフレーム「ACOSシリーズ」の中型機「i-PX9800/S100」(写真)を発表、同日発売した。従来機「i-PX9000/S300」と比べて、消費電力を最大50%削減し、設置面積を最大45%削減した。さらに、新機能として、メモリー書き込みの二重化や仮想マシン機能などを追加した。2014年12月25日に出荷する。価格(税別)は、 周辺装置(ストレージ、仮想テープ)を含む最小構成で月額195万円から。

 NECでは、2012年9月に従来の大型機「i-PX9000/A300」の後継機として、「i-PX9800/A100」(25モデル)を出荷した。そして今回、従来の中型機であるi-PX9000/S300の後継として、i-PX9800/S100(13モデル)を用意した形である。後継機であるi-PX9800シリーズ(A100とS100)に共通する要素として、プロセッサに「NOAH-6」を、OSに「ACOS-4/XA」を採用している。なお、性能の拡張性は、S100シリーズ内で22倍、A100シリーズ内で70倍、S100/A100の全38モデルでは580倍以上の性能領域を持つ。

 今回のS100シリーズでは、A100シリーズ同様に、プロセッサ性能の向上と省電力のほか、メモリー書き込みの二重化による可用性の向上や、仮想マシン(VM)による利便性の向上、---といった新機能を追加した。このうち、メモリー書き込みの二重化は、同一データを異なるメモリーブロックに常時複製して書き込む機能であり、エラー訂正が不可能なメモリー系の障害が発生した場合でも業務を継続できるという。

 一方、仮想マシン(VM)はOSの新機能であり、これまで利用できていた論理パーティショニング機能とは別に、OSレベルで仮想マシン(VM)を運用できるようにするソフトウエア技術である。なお、仮想マシンを利用可能なOSバージョン「ACOS-4/XA R3.1」は、2014年12月25日に出荷する。

 S100シリーズと同日、ACOS-4シリーズ向けのストレージ装置の新製品「iStorage A3000/100」も用意した。従来機「iStorage A2700」の後継に当たり、S100のきょう体に従来機比で約1.5倍となる約3Tバイトの容量を搭載可能になった。ドライブとして2.5インチSSDを全面採用した。装置サイズを2U~4Uに抑えたため、S100シリーズのきょう体にA3000/100を2台まで実装できる。