画面●カップル専用アプリ「Between」のPC版。アプリでの利用と完全に同期する
画面●カップル専用アプリ「Between」のPC版。アプリでの利用と完全に同期する
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 カップルで利用するメッセンジャーアプリ「Between(ビトウィーン)」を運営する韓国VCNCは2014年10月20日、新たにPC版の提供を開始する(画面)。従来はスマートフォン向けアプリでのみ提供してきたが、デスクトップ常駐型ソフトの提供で、利用者の使用頻度を高める狙い。Windows版のみで開始し、今後はMac版も公開する予定だ。

 2011年2月に創業したVCNCは世界で初めてカップル専用のメッセンジャーアプリを開発。数多くの知人や友人とつながるFacebookをはじめとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に対し、利用者を限定したクローズドSNS市場で会員数を伸ばしてきた。現在の会員数は900万人を超えており、日本ではリクルートマーケティングパートナーズが制作する結婚情報誌『ゼクシィ』や映画館「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテインメントと連携して、利用者の開拓を進めている。

 新たに提供を開始するPC版のBetweenでやり取りされたメッセージや写真はアプリと同期するため、利用者の使用頻度を大幅に高める可能性があるほか、VCNCにとっては広告収益を拡大させる狙いもある。「PC版Betweenに新たに広告チャネルを加える準備を進めている」(パク・ジェウクCEO[最高経営責任者])としており、飲食や旅行、宝飾品といった、カップルにターゲティングしたい広告主にとって魅力的なメディアになる可能性が高い。

 カップル専用アプリはBetweenのほか、国内ではTimers(東京都渋谷区)の「Pairy(ペアリー)」やエウレカ(東京都)の「Couples(カップルズ)」などが提供中。通常のSNSと異なり、利用者の増加がさらなる利用者を呼び寄せるネットワーク効果が働きにくいため、ブランド認知度の向上が不可欠となる。現在、利用者数ではBetweenが他のアプリを圧倒しており、今後、寡占化が急速に進む可能性もある。