楽天グループのバイバーメディアが提供する通話/メッセンジャーアプリ「Viber」の不具合が一部利用者の間で続いていることが明らかになった。
米アップルが2014年9月17日(米国時間)から提供を開始した「iOS 8」に対応するバージョン「Viber 5.00」を9月11日にリリースしたものの、Viberの連絡先を選択するとアプリが異常終了するなどのバグが発覚。約1カ月後の10月12日に不具合解消を目的とした「Viber 5.01」をリリースしたが問題の解決には至っておらず、いまだ一部の利用者を中心に不具合が続いているもようだ。
楽天は「一部利用者で発生する問題は認識しており、問題の発生条件、および対応策を近日中にApp Storeにて告知する予定」(広報)としている。
Viberはバージョン5.00でiOS 8に対応したほか、ビデオ通話に対応。楽天スーパーポイントが貯まる仕様にも変更された。楽天がこれまで培ってきた楽天経済圏をViberにも広げ、利用者のさらなる拡大を狙った矢先だった。
App Storeのレビューには「iPhone 6 Plusで起動しない」などの書き込みが今もなお散見される。楽天が確認している現時点でのバグは「Viberの連絡先を開こうとすると一部の利用者でアプリが落ちる」(広報)というもの。9月19日に国内でiPhone 6/6 Plusが発売されて以降、バグが顕在化したようだ。
Viberは9月12日時点で193カ国・地域で利用されており、登録者数は約6億800万人、ユニークID数は4億以上となっている。国内最大手の「LINE」は10月9日時点で、世界の登録者数は5億6000万人を超え、月間アクティブユーザー数は1億7000万人と発表している。米フェイスブックが買収した米ワッツアップ運営の「WhatsApp」は月間アクティブユーザー数が6億人、中国テンセントが提供する「WeChat」は月間アクティブユーザー数が4億3800万人に達している。
グローバル市場において通話/メッセンジャーアプリの覇権争いが激化する中、楽天としてはこのタイミングでソフトウエアのバグを理由に利用者離れが進むことだけは避けたいところだが、「バグを修正した最新バージョンの提供時期は未定」(楽天広報)という。
Viberのバグフィックスバージョンを安易に提供できない背景には、アップルが米国時間の10月20日に最新版のiOS 8.1をリリースすることも関係しているようだ(関連記事:アップルが薄型化したiPad Air 2や5KディスプレイのiMacを発表、iOS 8.1も提供)。iOS 8へのアップデートに起因した問題は他のアプリでも報告されており、様々な問題がiOS 8.1へのバージョンアップで解消される可能性もある。