写真1●パネルディスカッション「IoTはもうビジネスを変えている」の模様(撮影:新関雅士)
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写真2●キヤノン映像事務機事業本部映像事務機ドキュメントソリューション事業部シニアプロジェクトマネージャーの西本広司氏(撮影:新関雅士)
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写真3●凸版印刷メディア事業推進本部電子チラシ事業推進部長の亀卦川篤氏(撮影:新関雅士)
写真3●凸版印刷メディア事業推進本部電子チラシ事業推進部長の亀卦川篤氏(撮影:新関雅士)
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写真4●Agoopの柴山和久代表取締役社長(撮影:新関雅士)
写真4●Agoopの柴山和久代表取締役社長(撮影:新関雅士)
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写真4●Agoopの柴山和久代表取締役社長(撮影:新関雅士)

 2014年10月17日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2014」では同日、「IoTはもうビジネスを変えている」と題したパネルディスカッションを開催した(写真1)。キヤノン、凸版印刷、ソフトバンクグループのデータ分析専門会社Agoop(アグープ)の3社が、それぞれの立場から「IoT(Internet of Things=モノのインターネット)」の実務での活用について語った。

 キヤノン映像事務機事業本部映像事務機ドキュメントソリューション事業部シニアプロジェクトマネージャーの西本広司氏(写真2)は、キヤノン製デジタル複合機におけるIoT技術の活用について説明。「IoTは保守業務の効率化に貢献し、既に当社のビジネスにとって欠かせないものになっている」と話した。

 キヤノンの取り組みは、複合機の印刷枚数メーターの自動収集から始まったという。10年前はサービス担当者が複合機を設置している事務所を定期的に訪問しなければならなかった。キヤノンにとっては人件費がかかり、顧客にとっては、外部者に社内に立ち入られるという問題があった。

 西本氏は「約110万台の複合機がネットにつながったことで、メーターをチェックする人手がかからなくなった。それだけではなく、センサーのデータから特定の部品の摩耗状況を把握して故障する前に交換するなどして、お客様の利便性向上にもつながっている」と述べた。

 凸版印刷メディア事業推進本部電子チラシ事業推進部長の亀卦川篤氏(写真3)は、同社のWebチラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を統括している。月間ユニークユーザー数は約690万人で、大手全国紙の発行部数に匹敵する規模に育てた。

 亀卦川氏は、今後の事業展開を強化するための要素技術としてIoTを位置づけた。「情報過多の時代で、単にチラシを出すだけでは人の目に触れにくくなっている。IoTを活用して、消費者の状況に合ったコンテンツをきめ細かく出せるようにしたい」(亀卦川氏)。

 Shufoo!は九州で、スマートフォンに「電気を消して出かけよう」といったチラシを配信して節電を促す取り組みを実施している。現状は「平日日中」などの時間を指定して配信しているが、センサー情報などとの連携を模索しているという。