パナソニックは2014年10月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2014」にブースを出展し、LTE接続を利用したWindows PCの遠隔消去システム「トラストデリート」を展示した(写真1)。
トラストデリートは、ワンビ株式会社が開発した同名のソフトウエアのパナソニック版。以前のバージョンでは3G/LTEで接続したPCに対し、SMSをトリガーとして遠隔からデータを消去。さらにOSの再インストールも不可能な状態とする機能を備えていた。
これに対して最新版ではストレージの完全消去にとどめている。「紛失したPCを完全に破壊してほしいという要望と、もし発見した場合には再利用したいという両方の声がある。現在は仕様を後者に合わせた」(ブース担当者)と説明する。
消去の方法としては、米国防総省が推奨する3回の完全消去に対応。起動時のパスワード試行回数の上限値や、起動時にSIMカードが確認できない場合はシャットダウンするなど、詳細なセキュリティ設定が可能となっている(写真2)。
5月以降に発売したパナソニックのLet'snoteシリーズに加え、TOUGHPADシリーズとして10.1型の「FZ-G1」や7型の「FZ-M1」に対応する。
企業向けMVNOサービスを開始、SIMカードとセットのソリューションも
トラストデリートが機能するためには3G/LTE接続が必要となる。この点について、既に対応しているNTTドコモのLTE(Xi)などに加え、10月14日に「企業向けMVNOサービス事業への本格参入」として発表したMVNOサービスも合わせて展開するという。
既存のコンシューマー向けMVNOサービスとの違いとして、企業のビジネス環境に適したサービスを展開できる点が特徴となる。「夜間だけ利用できるSIMカードでバッチ処理を送信すれば、通信料金を節約できる可能性がある。一定の地域でのみ通信可能といった特殊なSIMカードも実現できる」(ブース担当者)と説明する。
必要なデータ通信容量についても、多様な需要があるという。「バーコードリーダー端末を大量導入する場合、個々の端末が送信するデータはバーコードだけなのでごくわずか、といったシナリオにも対応できる」(ブース担当者)という。
当面は1GBまたは7GBのデータ通信を、遠隔消去システムとセットにしたプランを提供する。今後は企業ユーザーからの細かいカスタマイズ要求にも対応していく予定とした。