[画像のクリックで拡大表示]

 米Appleは現地時間2014年10月16日、タブレット端末の新モデルとして9.7インチの「iPad Air 2」と7.9インチの「iPad mini 3」を発表した。いずれも指紋認証機能「Touch ID」を実装し、米国、日本、中国を含む約30カ国で来週後半に出荷を開始する。

 iPad Air 2は、「Retina」ディスプレイをさらに向上し、反射防止コーティングを施してぎらつきを56%軽減した。厚さは6.1mmと、前モデル「iPad Air」よりさらに薄くなった。

 第2世代64ビットプロセッサ「A8X」を採用し、iPad Airと比べ、40%向上したCPU性能、2.5倍のグラフィック性能を提供する。

 「iSight」カメラと「FaceTime HD」カメラも強化した。800万画素のiSightカメラは新たにパノラマ、タイムラプス、スローモーション、連写機能を備え、1080p HDビデオ撮影に対応する。FaceTime HDは、写真と動画の自動HDR、連写などが可能になった。

 iPad Air 2とiPad mini 3は、Touch IDの実装により、画面のロック解除やアプリケーションのログイン時などのセキュリティが向上する。また同社の決済サービス「Apple Pay」を介したオンライン決済が可能になる。

 いずれも最新モバイルOS「iOS 8.1」を搭載する。iOS 8.1は、最新パソコンOS「OS X Yosemite」とのよりシームレスな連携を実現する。ストレージ容量は16Gバイト、64Gバイト、128Gバイトを用意する。

 iPad Air 2の希望小売価格はWi-Fi接続専用モデルが499ドルから。LTE対応モデルが629ドルから。iPad mini 3はWi-Fi接続専用モデルが399ドルから、。LTE対応モデルが529ドルから。10月17日に注文の受付を開始する。カラーはスペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色。

 新モデル投入に伴い、iPad Air、「iPad mini 2」(旧名称iPad mini with Retina display)、初代「iPad mini」をそれぞれ値下げする。

 また、Apple Payは10月20日に米国でサービスを開始する。9月に発表して以来、500以上の銀行と新たに提携したという。Apple PayとTouch IDの連携により、「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」では、実店舗で代金を支払う際に、読み取り器に端末をかざしてTouch IDに指を押しつけることで支払が行える。オンライン購入での決済にも利用可能。iPad Air2とiPad mini 3は近距離無線通信(NFC)を搭載していないので、実店舗での支払いはできない。

 米CNETの報道によると、iPad Air 2およびiPad mini 3の米国および英国向けには、「Apple SIM」という独自のSIMが付属する。SIMカードを挿し替えることなくキャリアを移行できる。

 タブレット端末の販売が低迷する中、iPad Air 2はあまり消費者の心をとらえないだろうと、米Wall Street Journalは見ている。しかし強化したディスプレイやキャリア移行の手軽さなどが、ビジネスユーザーにアピールする可能性はある。なおAppleは、12.9インチの大型iPadを開発中だと、以前から噂されている。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]