写真1●セコム 前取締役会長 木村昌平氏(写真:新関 雅士)
写真1●セコム 前取締役会長 木村昌平氏(写真:新関 雅士)
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写真2●アイティメディア エグゼクティブ・プロデューサー 浅井英二氏(写真:新関 雅士)
写真2●アイティメディア エグゼクティブ・プロデューサー 浅井英二氏(写真:新関 雅士)
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写真3●日経BPイノベーションICT研究所 所長 桔梗原富夫(写真:新関 雅士)
写真3●日経BPイノベーションICT研究所 所長 桔梗原富夫(写真:新関 雅士)
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 インターネット革命に続く大きな波とも言われるIoT(Internet of Things)は、どのような可能性を秘めているのだろうか。東京ビッグサイトで開催中のイベント「ITpro EXPO 2014」にて2014年10月16日、セコム 前取締役会長の木村昌平氏(写真1)、アイティメディア エグゼクティブ・プロデューサーの浅井英二氏(写真2)、日経BPイノベーションICT研究所 所長の桔梗原富夫(写真3)による「あらゆるモノがつながる時代へ~IoTがもたらすイノベーションの可能性」と題した特別鼎談が行われた。

 桔梗原はまず、IoTを含め世の中でどのような変化が起きているのか疑問を投げかけた。その問いに対し浅井氏は、最近の変化で一番顕著なのが、すべてが「コネクティッド」(接続)された状況にあることだとした。

 「人と人が常時つながり、リアルタイムでのレスポンスが求められるようになっている。こうなるとコミュニケーションの手法が変わり、企業に対する期待値も高くなる」と浅井氏。その一例として、ユーザーが何らかのサービスや商品に対する不満をソーシャルネットワークサービス(SNS)でつぶやいた際、米国では5分以内に企業が対応すべきだという「5分ルール」が存在することを紹介した。「デジタル時代では企業もこうした状況を受け入れざるを得ない。コネクティッドされた状況をうまく活用して顧客満足度を高められる可能性もあるが、失敗した時の代償も大きくなっている」と浅井氏は語る。

 一方の木村氏は、約40年前にシンクタンクのローマクラブが唱えた「地球上の成長は100年以内に限界に達する」とした説について、「資源の枯渇や環境保全、人口増加、そして食糧不足など、ローマクラブの主張した限界説の状況は変わっていない」と警鐘を鳴らす。しかし、「IoTやビッグデータといったITの世界が、社会革命を起こせるかもしれない。ITの及ぶ範囲が大きく変わっているからだ」と述べた。