写真●「ForeSight Voice Mining」のダッシュボード。コンタクトセンターに寄せられた内容を、一目で把握できる
写真●「ForeSight Voice Mining」のダッシュボード。コンタクトセンターに寄せられた内容を、一目で把握できる
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 10月15日から東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2014」でNTTソフトウェアは、音声認識技術を活用し、会話の音声データを可視化するソリューション「ForeSight Voice Mining」(写真)を展示している。コンタクトセンターに寄せられた会話データを定量的・客観的に分析することで、オペレーターの顧客対応向上や、業務プロセス改善に役立てる。2014年5月22日より販売されており、すでにNTTグループで導入されているという。

 ForeSight Voice Miningは、コンタクトセンターに寄せられた問い合わせから、声の大きさや抑揚、オペレーターとの会話の“間”などを認識し、クレームと思われる内容を自動抽出する。声の抑揚が小さくても、オペレーターの声にかぶせて発言したり、オペレーターの相づちが頻繁になったりしたらクレームとみなす。こうした「Cold Anger:理詰めで相手を追い詰めるようなクレーム」は、今まで抽出が困難だったという。

 また、オペレーターごとに会話データを可視化することも可能。優良オペレーターの会話を抽出し、他のオペレーターに水平展開することができる。例えば、相手に確認などをお願いする際、気分を損ねないようにする「クッション言葉」の使い方や、謝罪のタイミングなど、優良オペレーターの会話を“ベストプラクティス”とすることで、オペレーター全体のスキル底上を実現する。「現在、多くのコンタクトセンターでは人材確保と離職率の低減が課題となっている。ForeSight Voice Miningでは、モニタリングによる教育や指導の効率化が図られているので、人材育成のソリューションとしても利用されている」(説明員)とのことだ。

 さらに、使用してはならない言葉を登録することで、コンプライアンス遵守にも利用できる。「証券会社の営業案内で、『絶対に儲かります』『損はさせません』といった言葉は禁句。こうした言葉を抽出することで、コンタクトセンター全体のコンプライアンス対応品質を向上できる」(説明員)という。

 寄せられた音声データ(非構造化データ)は、約半日後にテキスト化(構造化データ)され、システム側で自動集計してダッシュボードで確認できる。例えば、会話を「怒り呼」「満足呼」「折り返し呼」といった内容ごとに分類したり、会話の中に登場したキーワードのランキングや問い合わせ目的などもグラフ表示できる。「経営層と現場とで、最新の顧客の声を共有することで、経営課題解決にも役に立つ」(説明員)とのことだ。