写真1●ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏(写真:新関 雅士)
写真1●ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏(写真:新関 雅士)
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写真2●ITpro EXPO 2014で講演中の大前研一氏と聴講者席の様子(写真:新関 雅士)
写真2●ITpro EXPO 2014で講演中の大前研一氏と聴講者席の様子(写真:新関 雅士)
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 「使ってみる、体験してみる、そして自分を放り込んでみる。これが21世紀を担う人材になるための秘訣だ」。ビジネス・ブレークスルー大学の学長、大前研一氏は講演の壇上で聴衆に向けてこう語った。

 2014年10月15日、ICT分野の総合イベント「ITpro EXPO 2014」が開幕した。初日の開幕直後に始まったのが、大前氏によるこの基調講演「2020年、日本企業飛躍のカギ」。平日の朝にもかかわらず、会場には立ち見が出るほどの聴講者が集まった。

 大前氏は「既存のルールを破壊し新しい価値を創造した人々」と言葉を添えつつ、米ツイッターの創業者の一人であり米スクウェアのCEOであるジャック・ドーシー氏や、米テスラモーターズ創業者であるイーロン・マスク氏の名を挙げる。そして「日本が再び成長軌道に乗るためには、役割を終えた古い秩序を破壊する人材が必要だ」と指摘。産業界を支える一人ひとりが「変わった発想をするとがった人間」へとシフトすることが重要だと語る。

 シフトのために何をすべきか。大前氏はポイントを挙げる。

 まず挙げたのは、クラウドコンピューティング、クラウドソーシング(関連記事)、クラウドファンディング(関連記事)という「三つのクラウド」をフルに活用すること。

 大前氏もこれらのクラウド型の仕組みを活用しているという。例えば自らが執筆した資料の英訳や講演動画のテロップ作成を、クラウドソーシングを提供する米オーデスクなどに依頼。「時間やコストを大幅に削減できた」(大前氏)という。