NECは2014年10月10日、タイと香港を結ぶ光海底ケーブルの建設を受注したと発表した。現在建設が進んでいるアジアと欧州を結ぶ光海底ケーブル「AAE-1(Asia-Africa-Europe-1)」を、タイから香港まで延伸するルートが対象だ()。受注額は非公表。

図●欧州とアジアを結ぶ光海底ケーブル「AAE-1」のルート
図●欧州とアジアを結ぶ光海底ケーブル「AAE-1」のルート
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 AAE-1は、アジアから中東、アフリカを経由して欧州に至る総延長約2万5000キロメートルの大規模光海底ケーブルで、米TEサブコムが建設を進めている。最大で、毎秒40テラビットの伝送速度を実現する予定だ。2014年に着工し、2016年末の稼働を見込む。

 今回NECが受注したのは、タイからベトナムを経由して香港に至る総延長約2900キロメートルのルート。1ファイバー当たり毎秒8テラビットで、総伝送速度は数十テラビットに上ると見られる。2016年末の稼働を目指し、2014年内には海底ケーブルの製造などを始める。

 香港には多くの光海底ケーブルが集まっており、今後、香港と日本やアジア各国とを結ぶ既存ルートと接続する可能性もある。

 NECは2014年8月に日米間を結ぶ「FASTER」、米国と東南アジアを直結する「SEA-US」のプロジェクトを立て続けに獲得した(関連記事:太平洋に大型商機来たる、NECが光海底ケーブルで560億円を手中に)。光海底ケーブル市場は、NEC、仏アルカテル・ルーセント、米TEサブコムの3社で8~9割のシェアを占めており、その中でもNECはアジアでのプロジェクトに強みを持つ。アジアの通信需要は急激に増加しており、同社にとっては追い風が吹いている格好だ。