中村康則氏。出展ブースの前で。
中村康則氏。出展ブースの前で。
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 今回のCEATECに医療用裸眼3Dモニターを出展したエフエーシステムエンジニアリング(FASE)(関連記事)。愛媛県松山市に本社を置く同社の創業者で、ブース説明員を自ら務める中村康則氏の弟は、CEATEC初日夜を境に“時の人”となった。2014年のノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏、その人である。康則氏は4人兄弟(男3人、女1人)の長男で、修二氏より2歳年上。幼少時の思い出や修二氏との現在の関係、LEDと医療分野の関わりなどについて、会場で話を聞いた。 _______________

 毎年、ノーベル賞の時期になるとひそかに期待はしていたんですが、いつもダメで。今年も9割方ダメじゃないかと思っていました。受賞を知ったのは、新聞記者の方からの電話を受けて。「修二さんのノーベル賞受賞、ご存じですか?」と言われて驚きました。発表があった7日夜は、CEATECの後に飲みにでも行こうかと思っていたのですが、取材攻勢でそれどころではなくなりました。

 修二と電話で話ができたのは、その日の夜10時すぎです。向こうの時間だと朝の5時すぎでしょうか。それまでなかなか電話もつながらなくて。開口一番、「おめでとう」と言いました。「親父(故・友吉氏)が喜ぶな」と。会話はそれくらいです。向こうもすごくバタバタしている感じだったし、すぐに電話を切りました。