米Amazon.comが米ニューヨーク市マンハッタンに初の実店舗をオープンする計画だと、米Wall Street Journalが現地時間2014年10月9日に報じた。

 同紙が関係者から得た情報によれば、出店場所の住所は「7 West 34th Street」で、観光名所であるエンパイアステートビルの向かい。12階建てのビル内に、ホリデーシーズンに間に合うよう出店する見込み。

 同店舗は、小規模な倉庫型店舗として機能する。取り扱い商品は限定的だが、ニューヨークの即日配送、オンライン購入した商品の引き渡しや返品・交換などに対応する。電子書籍リーダー「Kindle」やタブレット端末「Kindle Fire」、セットトップボックス「Fire TV」、スマートフォン「Fire」といった自社製品の展示および販売も検討しているという。

 米USA TODAYは、売れ筋商品のKindleシリーズが売場の多くを占めると見ている。Kindleを扱っている小売販売店は限られるため、Amazon.comにとっては自社製品を直接消費者に触ってもらう1つの試みになる。

 しかし実店舗を運営するとなれば人件費をはじめとするコストがかかり、同社の経営を圧迫する可能性があると、Wall Street Journalは指摘している。Amazon.comの2014年第2四半期の決算は、1億2600万ドルの純損失(希薄化後の1株当たり純損失は0.27ドル)を計上し、営業損益は1500万ドルの赤字となっている(関連記事:Amazon.comのQ2決算は23%増収、赤字が1億2600万ドルに拡大)。

 なお、米Microsoftもニューヨーク市に旗艦店を出店する計画を先月明らかにしている。場所は5番街で米Appleの直営店から徒歩約6分の距離。開店日は明らかにしていないが2015年になると見られる(関連記事:Microsoftがニューヨークに旗艦店をオープンへ、Apple直営店の近く)。