東芝のブース 日経エレクトロニクスが撮影。
東芝のブース 日経エレクトロニクスが撮影。
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リファレンスビーコン 中央の銀色のモジュールに「TC35670FTG」が内蔵されている。日経エレクトロニクスが撮影。
リファレンスビーコン 中央の銀色のモジュールに「TC35670FTG」が内蔵されている。日経エレクトロニクスが撮影。
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複数の通信モードがある 東芝のサインボード。
複数の通信モードがある 東芝のサインボード。
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 東芝は、NFCタグ機能を備えたBluetoothビーコンのデモンストレーションを、「CEATEC JAPAN 2014」(2014年10月7~11日、幕張メッセ)で実施している(ブース番号3L117)。このビーコンは、同社が2014年9月24日に発表したBluetooth Low Energy(BLE)通信方式と、NFCForum Type 3 Tag規格に準拠した通信方式の双方に対応するコンボチップをベースにする(ニュースリリース)。

 このチップは、同社が2014年2月に発表したBLE通信IC「TC35667FTG」に(日経テクノロジーオンライン関連記事)、NFC Tag機能を追加した「TC35670FTG」である。同機能の追加により、ペアリング手続きの簡素化やスタンバイ状態の長時間化などを可能にしたという。

 今回のTC35670FTGはBLEとNFC Tagのダイを1パッケージに封止にしたものだ。それぞれを別パッケージに封止した場合と比べて、実装面積を約30%削減できるという。さらに、外付け部品点数削減およびコスト削減、ソフト開発が集約できるなどの開発効率向上、開発工数削減に貢献できるとする。

 TC35670FTGのBLEダイとNFC TagダイをI2Cインターフェース経由で外部接続して使用することにより、NFC Tagダイの不揮発メモリー上に確保されているユーザー領域(約1.5Kバイト)の同一エリアへ2つの通信方式からデータの書き込み・読み出しが可能となり、さらに相互間の情報の受け渡しも可能になる。

 これで、BLEとNFC Tagの両方を待ち受け状態とし、最初にアクセス依頼のあった通信と優先接続できる。また、BLE通信の起動をNFC Tagへのアクセスをきっかけとさせる場合、スタンバイ電流を0.5μA以下の状態で保持できるため、待機電力が気になる電池で動くシステムでも電源をON/OFFするための機械的なスイッチ類を不要にする。

 会場のブースでは、このTC35670FTGをベースにしたリファレンスビーコンを使ってデモンストレーションを行っていた。リファレンスビーコンには、TC35670FTGを内蔵した銀色のモジュール、2.4GHz通信向けのアンテナ、コイン電池などが搭載されている。モジュール化は富士通コンポーネントが行い、システム設計では東芝ソリューションが協力した。

 デモは複数種類があった。例えば、店舗などにこのリファレンスビーコンを設置し、スマートフォンを持った人が近付くのを検知する。スマートフォンにはあらかじめアプリケーションが搭載されていて、さらにそのアプリケーションを通じてユーザーが欲しい情報の種類が選ばれている必要があるが、ビーコンに人が近付くと、それと連携したデジタルサイネージに欲しい情報が表示される。