腕に巻いて使う
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脂肪燃焼量から生活習慣や健康状態を可視化
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微量のアセトンを濃縮してから検出
微量のアセトンを濃縮してから検出
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記者が試した結果。完全に運動不足のようだ。
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 NTTドコモは、運動や空腹によって体脂肪が燃焼した時に皮膚から放出される微量のアセトンを検出できる、ウエアラブルセンサーを開発した。将来、スマートフォンに同様のセンサー機能を組み込み、ダイエットアプリなどと連携させることを想定している。「CEATEC JAPAN 2014」(2014年10月7~11日、幕張メッセ)で動作デモを披露した。

 体脂肪は運動や空腹によって燃焼し、その燃焼量はダイエットや生活習慣病予防の効果予測指標となる。脂肪燃焼量に比例して増えるのが、皮膚が放出するアセトン(皮膚アセトン)だ。ただし、皮膚アセトンはごく微量なため、その計測にはガスクロマトグラフィーなど大型の分析装置が必要だった。また、呼気中のアセトン濃度から脂肪燃焼量を把握する手法が以前から提案されているが、呼気を使うという原理上、ウエアラブル端末への実装は難しかった(関連記事1同2

 今回ドコモは、皮膚アセトンを多孔質材料に吸着させて濃縮し、300~400℃に加熱して脱離させた上で、半導体ガスセンサーで計測するという手法を開発。これにより、身体に装着できるほど小型・軽量の端末で皮膚アセトン量を測れるようにした。計測値の従来手法との相関係数は約0.9と高いという。加熱領域の寸法はμmオーダーと極めて小さいため、測定時に熱さは感じない。測定に要する時間は2~3分だ。

 アセトンの他にも、皮膚からの放出量を測ることで健康状態を把握できるガスは多数存在する。酔いを反映するエタノール、腸内環境を反映するメタン、がんの発症や進行を反映するホルムアルデヒドなどである。ドコモは今後、こうしたガス種も計測できる小型センサー技術を開発し、スマートフォンなどに実装できるようにしたい考えだ。