約1cm角のWiGig対応無線通信モジュール
約1cm角のWiGig対応無線通信モジュール
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モジュールによる無線映像伝送のデモンストレーション
モジュールによる無線映像伝送のデモンストレーション
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 パナソニックは2014年10月7~11日に千葉市幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2014」において、60GHz帯のミリ波を使用する通信規格「WiGig」に対応する約1cm角の無線通信モジュールを展示している。2014年度内に量産を開始する予定だ。

 今回同社が出展したモジュールは、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器向けに開発したもの。動画などの大容量ファイルを機器同士で転送したり、データキオスク端末から配信するなどの用途を想定している。9.3mm×10.7mmの基板の前面に同社が開発したWiGig対応のRFトランシーバーICとベースバンド処理LSI、背面に送受信用のアレイアンテナを備える。同社は過去に3.75mm×3.6mmのRFトランシーバーICと7.4mm×6.3mmのベースバンド処理LSIを発表しているが、今回は製品化に向けてこれらをさらに小型化して搭載した。最大データ伝送速度は2.5Gビット/秒で、消費電力はHD映像をストリーミング伝送した場合が600mW以下、動画などの大容量ファイルを伝送した場合は1W以下とする。

 なお無線LANの業界団体である「Wi-Fi Alliance」は2016年初頭にWiGigの相互接続認証プログラムを開始することを明らかにしている。パナソニックはこのプログラムが始まり次第、今回のモジュールの認証取得を目指すが、プログラムの開始に先行して他のチップメーカーなどと相互接続試験を進めているという。これにより、他社のチップを採用したWiGig対応パソコンなどとの相互接続性を確保する考えだ。