韓国Samsung Electronicsは現地時間2014年10月7日、同年第3四半期の業績予測を明らかにした。それによると売上高は前年から約2割減、営業利益は前年から約6割減となる見通し。

 韓国採択国際会計基準(K-IFRS)に基づいた連結売上高の予測は約47兆ウオンで前年同期比20.45%減少、連結営業利益の予測は約4兆1000億ウオンで同59.65%減少する。

 米Thomson Reutersがまとめたアナリストらの予想は、売上高予測が前年同期比14%減の50兆9000億ウオン、営業利益予測が同42%減の5兆9000億ウオンだった(米CNETの報道)。

 当期のスマートフォンの出荷台数はわずかに増加したが、積極的なプロモーションによるマーケティング費用の影響と平均販売価格(ASP)の低下で営業利益は減少した。ASPの低下は、ハイエンドモデルの出荷比率が縮小したほか、旧モデルの価格が下落したことが主な要因としている。

 さらにモバイル製品の需要低下が、S.LSIやOLEDディスプレイの出荷と収益性にも影響を与えているという。

 一方、メモリー事業は好調で、タイトな供給状況により価格が安定しているほか、パソコンやサーバー向けの需要の勢いが続いているという。

 今後については、「モバイル事業の不透明感は続くものの、新たなスマートフォンの出荷拡大や、季節的要因によるテレビ製品の堅調な需要を期待している」とした。

 米Wall Street Journalによると、同社の営業利益が減少するのは4四半期連続となり、過去5年で最大の落ち込み。アナリストらは、今後モバイル事業の減益傾向が数四半期続き、メモリー事業がその打撃を緩和すると見ている。半導体による営業利益は年内に全体の半分を占めるようになり、2011年第2四半期以来初めてスマートフォンの営業利益を超える可能性が高い。

 同社の営業利益をけん引してきたスマートフォンが競争激化で苦しむ中、半導体事業の重要性は増している。Samsungは147億ドルを投じて韓国国内に新たな半導体工場を建設する計画だと、10月6日に報じられている(関連記事:Samsung、ソウル近郊に半導体工場を新設へ、147億ドルを投資)。

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