ブロケードコミュニケーションズシステムズは2014年10月7日、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)コントローラー「Brocade Vyatta Controller」を発表した。OSS(オープンソースソフトウエア)のSDNコントローラー「OpenDaylight "Helium"」のブロケード版ディストリビューション(検証済みパッケージ)である。製品の出荷は2014年11月を予定している。
OpenDaylightは、Linuxファウンデーションが開発元となっているOSSのSDN製品群であり、ブロケードのほか米シスコシステムズや米ヒューレット・パッカード、米IBM、NECなどが開発に参加している。OpenDaylightのSDNコントローラーは、様々なベンダーのスイッチやルーター、ファイアウオール、VPN(仮想プライベートネットワーク)、ロードバランサーといった物理/仮想ネットワーク機器を統合管理するものである。
スイッチをコントロールするインタフェースとしては「OpenFlow 1.0/1.3」や、仮想スイッチ「Open vSwitch」の管理プロトコルである「OVSDB」などに対応する。またSDNコントローラーが備える機能は、REST形式のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)から操作可能であり、クラウドOSの「OpenStack」などとの連携が容易になっている。
ブロケードが今回発表したVyatta Controllerは、OpenDaylightの商用版という位置づけで、ブロケードがサポートサービスを提供する。ソフトはLinux上で動作し、推奨サーバー構成は4コア以上のXeonプロセッサ、8Gバイト以上のメモリー、64Gバイト以上のストレージ、1Gビット/秒以上のネットワークとなっている。
SDNコントローラーであるVyatta Controllerは、OSSのソフトウエアルーターである「Vyatta」とは異なるソフトだ。ブロケードは2012年11月にVyattaの開発元である米ヴィヤッタを買収しており、現在はVyattaをブロケード製ソフトのブランドとして使用している。他の製品としては仮想アプライアンス型のルーターである「Vyatta vRouter」などがある。